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第40話 オペリフェール遺跡の真実

アスは唐突にハク達に話を切り出してきた…

アス「……なあハク。お前らここに来る途中でオペリフェール遺跡の壁画…見たんだろ?」

その一言に…空気がわずかに張りつめる。

ハク「ああ。見たとも。正直…最低な壁画だったな。趣味が悪すぎる」

それを聞いた瞬間…

アスは腹を抱えて大笑いした

アス「はははははっ!!お前、マジで言ってるのかハク!」

ハク「……何が可笑しい」

アスは笑いを堪えながら眼鏡の位置を直して言った

アス「お前…本当に知らなかったんだな。あの遺跡の仕組みを」

モエが一歩前に出て言う

モエ「どういうこと?あれ…古代文明の異常な価値観を描いたものじゃないの?」

オレジも腕を組んで一緒にうなずく…

オレジ「正直…悪趣味すぎて歴史資料としてもどうかと思ったけど」

シズクは少し青ざめた顔で言った。

シズク「映像まで流れ込んできましたし…もしもあれが事実なら、あまりにも……」

アスは三人を順に見渡し…そしてハクを見る。

アス「違う。あれ(壁画)は"記録"じゃない…」

アスははっきりと言った…

アス「投影だ」

ハク「投影……?」

アスはゆっくり説明を始めた…

アス「オペリフェール遺跡はな…複数人以上で内部に入るととある仕組みが起動する仕組みになってる…」

モエ「複数人以上で仕組みが起動する…?!」

シズク「どういうことですか!!仕組みって…まさか…幻聴!?」

アス「条件は単純だ。人数が増えれば増えるほど…投影の影響は強くなる」

モエが嫌な予感を覚え…思わずアスに聞いた

モエ「影響って……何の?」

アス「なんのかって…そりゃあ…人の心の奥にある欲望だよ」

その言葉に…女子三人の背筋がひやりとする…

アス「あの遺跡は…入った人間の中から一番"強く揺れている感情"を拾い上げる…」

ハク「フム…で…?」

アス「それが…空白の壁画に壁画として浮かび上がり…さらに奥では"映像"としてグループの頭の中に流れ込む」

オレジが乾いた笑いを漏らした☆

オレジ「じゃあさ……ボクたちが見たあれって……」

アスはそれに即答した。

アス「誰かの心の中身だ。しかもかなり生々しいやつな」

訪れる沈黙…

奈落峠の風の音だけが…やけに大きく聞こえてくる…

シズクは恐る恐る言った。

シズク「じゃ…じゃあ…あの卵とか……館とか……」

アス「全部"欲望の象徴"だ」

アスは頷いて続ける…

アス「欲望、不安、恐怖、支配、依存、渇望、妄想……それらが混ざり合って、ああいう映像の形になって現れる」

モエは思わず胸に手を当て語る…

モエ「……最低なのは…オペリフェール遺跡の壁画じゃなくて……」

それを聞いたアスはニヤリと笑った

アス「見た側の心だな」

ハクはしばらく黙っていたが、やがて小さく息を吐いた。

ハク「なるほどな……だから真実っぽく(実録映像に)見えたわけだ」

アスは肯定する。

アス「それに…遺跡が見せるのは…事実じゃなくて"納得しやすい嘘"だからな」

モエはハクをちらりと見て…

モエ「じゃあ……あの時、誰の心が一番反応してたのかしらね」

オレジがニヤッとする…

オレジ「そりゃあもう……」

シズクは赤面し、慌てて手を振る…否定するように…

シズク「わ…私は違いますからね!?医学的好奇心です!!ほんとです!!」

アス「まあ、誰か一人ってわけでもない。場合によっては…複数の欲望が混ざることもある」

そう言って…意味ありげに付け加えた…

アス「特に…ぴっちりスーツフェチが集団で入るとな…」

ハクは即座に突っ込んだ!!

ハク「おい…」

アス「冗談だ冗談。……半分くらいはな」

その言葉に、モエとオレジとシズクは、

それぞれ微妙に視線を逸らした。

奈落峠の向こうには…アスの小屋の方向が見えている。

ハクは歩き出しながら言った。

ハク「つまりだ。オペリフェール遺跡は"知識を得る場所"じゃなくて――」

アス「欲望と言う歪んだ自分の心を直視させられる場所だ」

誰も反論しなかった…いやできなかった…

奈落峠の先へと足を進めていく…

それぞれが…遺跡で見た壁画を思い出さないように…


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