第32話 狂気のオペリフェール遺跡
~ウルファス森・深部~
ウルファス森の奥へと歩みを進めるにつれ…木々の隙間に不自然な石片が混じり始めいた…
苔に覆われ…角の欠けた石材どう考えても明らかに自然のものではない
ハクは足を止め…
しゃがみ込んで石片を拾い上げる…
ハク「フッ……やっぱりな」
シズク「何かわかるんですか?」
シズクが首を傾げて疑問に思う…それに対して…
ハク「遺跡が近い証拠だな…」
ハクは石片の断面を見せながら語る…
ハク「加工跡がある。しかもこの石質……」
シズクが目を輝かせて…
シズク「確か…何遺跡でしたっけ…?」
ハク「ああ前にも言ったろ…?先にあるのは…オペリフェール遺跡だ」
その名にモエが反応した…
モエ「オペリフェール遺跡…確か…古代文明の遺跡ですね…」
ハク「ああ…この森の地下と横に広がってる…オペリフェールは地脈と魔力循環の研究都市だったと言われてるが…実際どうだったんだろうな…」
そんな中オレジは少し考えこんだ…
オレジ「つまり……変なのが出てくる可能性高い?」
ハク「高いな…でもな――オペリフェール遺跡の中を経由すれば、奈落峠へ最短ルートで行ける…」
モエ「つまり……避けては通れないのね」
シズク「でも、行く価値はありそうですね」
オレジ「遺跡探検かぁ…食材は無いだろうけど…考古学のロマンはあるよね」
ハクは頷いた…
ハク「どちらにせよ…アスに会うための道だ…行くぞ」
そしてそのままハク達はオペリフェール遺跡の中に進んでいく…
~オペリフェール遺跡~
オペリフェール遺跡の内部は…外のウルファス森とは別世界だった。
崩れかけた回廊…天井から差し込む淡い光…
空気そのものが古代のエネルギーを含んでいるかのように…
そのときモエが足を止めた…
モエ「……ねえ、見て」
壁の一面に刻まれた壁画…
そこには…虹色の衣装をまとった女性が描かれていた…
神聖さすら感じさせる構図だが…
その女性は卵のようなものを生み落としている…
流れる一瞬の沈黙…
ハクが腕を組んで言った…
ハク「……フィクションだろうな…象徴表現か…それか神話的な誇張だ。そして現実味がなさすぎる」
モエは眉をひそめ、はっきりと言い切った…
モエ「女の子に卵を産ませるとか……最低よ…古代人の発想が気持ち悪いわ…」
オレジは肩をすくめ…壁画を眺めながら皮肉っぽく笑う…
オレジ「現実と空想の区別がついてないって…悲しいね…それにさ…よくあるじゃん…古代文明って、たまーに変な方向に突き抜けるからさ…」
そして最後に…シズクが大きく首を振った…
シズク「そもそもです!!人間が卵を産む理由が分かりません!!生理学的にも魔法理論的にも、おかしいです!!人間に似ているハーピーならまだしも…ただの人間が…!!」
四人の意見は一致していた…
これは異常で…現実ではない。
ハクは壁画から視線を外し…奥へと続く通路を見る。
ハク「だが…こういう壁画があるってことは……古代のオペリフェールは…生命や大地に相当踏み込んだ研究をしていた可能性があるな」
モエ「ロマンと狂気は紙一重ってやつね」
遺跡の奥から…かすかに冷たい風が吹き抜ける…。
まるでこの先に…さらに核心が待っているかのように…
そしてハクは歩き出した…
ハク「行くぞ。奈落峠への道はまだ先だ」
四人は再び足並みを揃え…
古代文明の影が色濃く残るオペリフェール遺跡の深部へと進んでいった




