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第27話 ラブコメにはならないのね

ぴっちりキャッスルの夜の時刻

昼の熱がすっかり引き…城の外では砂漠の風が静かに鳴いていて寒暖差を感じる…

~ぴっちりキャッスル地下1階~

地下の大浴場では…湯気がゆっくりと天井へ昇っていく…

先に風呂に浸かっていたのはハクだった…

ハクは第一区画で白髪を軽く濡らし…目を閉じて肩まで湯に沈む。

ハク「…(……明日から…また少し騒がしくなるな)」

一方その頃――

脱衣所では…女子三人が自然と輪になって話していた…

つまり女子会と言うべきだろうか…

オレジ「ねえねえ!!明日の道のりってさ…絶対キツいよね」

シズク「森と遺跡と峠……聞いただけで足が疲れます」

モエ「でも…不思議と不安より期待の方が大きいわ」

オレジがくすっと笑った…

オレジ「モエの顔がもう"拠点づくり担当"だね」

モエは少し照れつつも…素直に頷いた。

モエ「スローライフ……正直悪くないって思っただけ」

シズクは二人を見て…安心したように微笑む。

シズク「……私、ここに来てよかったです」

その頃、ハクは湯から上がり…髪を軽く拭きながら言った。

ハク「もう上がる。次使っていいぞ」

モエ「はーい」

シズク「了解です」

女子三人は揃って返事をし…入れ替わりでそれぞれ浴場の

第二区画第三区画第四区画へ向かう…

湯気の向こうで…いくつもの水音が重なり…

笑い声が少しだけ響く…

ぴっちりスーツに着替えなおしたハクは廊下を歩きながら

…ふと立ち止った…

ハク「……いい仲間が集まったな」

~ぴっちりキャッスル2階~

ぴっちりキャッスルの夜は…すっかり寝静まっていた。

それぞれが個室に入って

明日に備えて灯りを落とす時間だ…

ハクはベッドに腰掛け…天井を見上げる…

ハク「……明日だな。いよいよ」

その瞬間、

しぃぃぃ…と静かな音

するとハクの個室の扉が…ゆっくりと開いたんだ…

ハクは即座に身構える…

ハク「何奴だ?」

影の中から現れたのは…モエだった

萌黄色のツインテールを揺らして、

何も言わずにまっすぐハクの前まで歩いてくる…

ハク「…モエか…」

そして…

ちゅっ♡

そっとのキス。

それはほんの一瞬だった…。

モエは目を伏せたまま、ぽつりと言った…

モエ「……こんな私でも、ラブコメにはならないのね」

ハクは少し眉を寄せて返した

ハク「一体……何が言いたい…?」

モエは視線を上げ…まっすぐに言った

モエ「ハク以外は今のところ……みんな女の子でしょ女子でしょ」

ハクは半歩引いて…

ハク「オイ…まさか…夜這いか?」

だがそれは速攻で不定された…

モエ「そんな勇気…こんな私にはないわ」

少し間を置いてモエはハクに問いかける…

モエ「ねぇ……恋人さ…正直欲しいの?」

ハクは正直に答える…

ハク「そうだな…今のところはいいかな。スローライフのための開拓もあるし…な」

モエは少しだけ寂しそうに笑って…

それでもはっきりと言った。

モエ「……いつか、この私を選んでよね?パートナー」

ハク「さあな…そいつはな…一体どうだろうな」

モエに優しく言った。

ハク「……おやすみ」

次の瞬間…

ハクはモエを軽く抱き上げた

モエ「ちょっ……?!」

お姫様抱っこのまま、

ハクはそのまま廊下を歩き、

モエの個室まで運んだ…

モエベッドにそっと下ろしてから…毛布をかけた

ハク

「……明日に響く…もう寝ろ…あと…さっきのキスのお返しだ…」

モエは小さく…でも確かにほほ笑んだ

モエ「……うん…おやすみハク」

扉が静かに閉じられた…

その夜、

誰も答えを出さなかったけれど…

確かにその恋の想いだけは残った

そうそれはラブコメと呼ぶにふさわしい夜だった…

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