第25話 第一回オレジ食堂
ハク「……なあ…オレジ」
オレジはにやっと笑ってハクに向かって振り向く
オレジ「なに?この可憐なボクを口説きたいのかい?」
ハク「冗談は…よしてくれ」
ハクは即座に切り捨てた
そして視線をシズクへ向けた…
ハク「なあ…シズク。夜から朝になったし…しかも今昼前だ…正直お腹空いてるだろ?」
シズクは少し驚いたように瞬きをしてから…
素直に頷いた…
シズク「……そうですね…正直結構お腹減ってます…」
その様子を見たハクは短く決断した…
オレジ「よし…オレジは食堂で朝飯を兼ねた昼飯を作ってきてくれ」
オレジ「はーい了解だよ!!」
オレジは即答て軽く手を挙げ考えた…
そして振り返って…いつもの明るい声で言った…
オレジ「じゃあさ…作るけどみんな…メニューはそれぞれ何がいい?」
モエは少し考え込み…萌黄色の髪を指で整えながら言った…
モエ「そうね…あっさりしたものがいいわ。歩く前だし…重いのは避けたいわ」
シズクも控えめに続けた
シズク「私も似た感じで……できれば…水分多めのものだと助かります」
二人の視線がモエとシズクの視線が自然とハクへ向く…
ハクは腕を組んで…少しだけ考えてから答えた…
ハク「俺は何でもいい…栄養が取れて…動ければそれで十分だ。モエとシズクの要望を合わせてくれたら最高だな!!」
オレジは満足そうに頷いた…
オレジ「了解っだよっ」
オレンジ色のぴっちりスーツを着衣した彼女が向きを変え…
オレジは研究室を後にして食堂の厨房へ向かった
残された三人…
研究室の静けさの中で…これから始まる旅の重みが、
少しだけ現実味を帯びてきたんだ…
ハク達は1階の食堂へ向かった…
~ぴっちりキャッスル1階食堂~
ぴっちりキャッスルの食堂
木のテーブルに柔らかな光が落ち…
外の砂漠とは対照的に落ち着いた空気が漂っていた…
ハク…モエとシズクは並んで席についた
しばらくすると…厨房の方から軽快な音とともに…オレジの声が響く
オレジ「はいはーい!!お待たせ~!!」
オレジは手際よく配膳台を押して…料理を並べていく
まず置かれたのは…
『ざるうどん』
きりっと冷えたうどんの麺には…つややかな白。
刻み海苔と薬味が添えられて…
見ただけで喉が涼しくなるようだ…
その次に…
『茶碗蒸し』
湯気がほわりと立ち上り…
蓋を開ける前から出汁の香りが広がる…
タマゴベースの生地もいいようだ…
そして最後は…
『ツナサラダ』
シャキッとした野菜達にほどよく和えられたツナの油漬けだ。
オレジ「軽めだけど…ちゃんと栄養取れる構成だよっ☆」
オレジは得意げに説明した…
そんなモエは目を丸くした…
モエ「ねぇ…この状況で…普通に美味しそうなの出てくるの…なんだかずるくない?」
シズクは手を合わせ…少し嬉しそうに言った
シズク「いただきます……こういうのなんだか久しぶりです」
ハクは箸を手に取り…短く言った。
ハク「助かるな…出発前にはちょうどいい」
三人が食べ始めると…食堂には箸と器の音だけが静かに響く
冷たいうどんが喉を通り…茶碗蒸しの優しい味が体に染み渡る
ツナサラダのアクセントも最高の用だ…
シズクは一口食べて…思わず息をついた。
シズク「……落ち着きますね。一見なんもなさそうな砂漠の城なのに…ちゃんと"生活"してる感じがして」
モエは共感している
モエ「ええ…そうねこれなら……長くここにいても大丈夫そう…」
ハクは黙って食べながら…頭の中ではすでに
ウルファス森からのオペリフェール遺跡からの奈落峠
そしてアスへの道筋を組み立てていた…
ぴっちりキャッスルの食堂での…束の間の平穏…
だがこの昼食はこれから始まる過酷な旅の前の
ほんの短い休息に過ぎなかったのだから…




