公爵夫妻の更なる事業展開と、領民からの絶大な支持
『内助の功の星』の勲章を拝受した後、私たちヴィンテージ公爵夫妻への世間の評価は揺るぎないものとなった。公爵様、バンテス様は、名実ともに王国の模範的な貴族として尊敬を集めている。
しかし、私の内助の功は、ここで止まるわけにはいかない。公爵家の繁栄は、公爵領の領民たちの幸せと直結しているからだ。
「公爵様。ヴィンテージ織物事業は安定しましたが、この水資源の豊かな領地には、まだ他に活かせる資源があります」
私は、公爵領の地図を広げ、公爵様と共に新たな事業計画を練っていた。
「ロキシー、君の目はいつも遠くを見ているな。私には、もう十分過ぎるほどに豊かな生活に見えるのだが」
公爵様は、優しく微笑みながら、私の髪に触れた。彼のその余裕のある穏やかな表情こそが、私の内助の功の最高の成果だと感じる。
「公爵様。立ち止まってしまえば、すぐに他の貴族に追い抜かれます。それに、私が目指すのは、領民全員が豊かになる『理想郷』です」
私は、水資源を利用した、高品質な『ヴィンテージ・ミネラルウォーター』の事業化を提案した。
「領地内の水源は、王国内でも稀に見る清浄さです。これをブランド化すれば、王都の貴族たちはこぞって買い求めるでしょう」
公爵様は、私の計画に目を輝かせた。
「素晴らしい!君の着眼点には、いつも驚かされる。よし、この事業は、君に全権を任せる。ただし、公爵としての私の名前は、最大限に利用してくれ」
「はい、公爵様」
彼は、私を信頼し、彼の権威を惜しみなく使わせてくれる。それが、私たちの夫婦の形だった。
新しい事業の開始に際し、私は、まず領民たちを集めた。
「皆様。本日、公爵様のご決断により、公爵領の清浄な水源を利用した、新しい事業を立ち上げます」
領民たちは、以前の公爵家への不信感からか、当初は懐疑的な目を向けていた。彼らは、古い顧問たちによる事業失敗の苦い経験を忘れていないのだ。
「皆様の中には、過去の事業失敗で、公爵家に対する不信感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。ですが、ご安心ください」
私は、公爵様をたてるために、彼に視線を送った。
公爵様は、一歩前に出て、力強く語り始めた。
「私は、妻であるロキシーを信じます。そして、妻は、あなた方領民の生活を第一に考え、この事業を計画しました。この事業の利益は、すべて領地のインフラ整備と、あなた方の生活向上に還元されます」
彼の言葉には、以前の女々しさの欠片もなく、真のリーダーシップが宿っていた。
「そして、このヴィンテージ・ミネラルウォーター事業の収益の一部は、職人の皆様の子供たちのための学校建設資金に充てられます」
私が、具体的な利益還元策を提示すると、領民たちの表情は、一気に明るくなった。
「公爵様、公爵夫人様!私たちを裏切らないでくださるのですね!」
「もちろん。私は、この公爵領の公爵として、あなた方を家族のように思っています」
公爵様の、心からの言葉に、領民たちは感涙し、私たちへの絶大な支持を表明した。
「公爵夫人様の御指示とあらば、私たちは喜んで、この事業に協力いたします!」
私の内助の功は、単に夫を支えるだけでなく、領地全体を巻き込み、幸せへと導く力となっていた。
公爵領は、新たな活気に満ち溢れ、領民たちは、私たち夫婦を心から尊敬し、愛してくれた。
その夜、公爵様は、私を抱きしめ、感謝を込めて言った。
「ロキシー。私は、君に出会うまで、自分の人生を、ただ母上から押し付けられたものだと思っていた。君は、私に、公爵としての生きがいと、愛する喜びを与えてくれた」
「公爵様。私は、あなたを、世界で一番誇りに思っています」
私たちの愛は、公爵家の繁栄という最高の証と共に、深まるばかりだった。




