真の愛と公爵家の繁栄~内助の功の結実
セリーヌ様の逆襲を退けた後、公爵家は、穏やかで、しかし活気に満ちた日々を送っていた。
公爵領は、ヴィンテージ織物事業の成功を皮切りに、水資源を利用した新しい灌漑技術の導入や、公爵領内の道路整備など、私が提案した改革が次々と実行され、領民たちは豊かな生活を享受し始めていた。
公爵様、バンテス様は、今や誰もが認める、頼もしい公爵となっていた。彼の美貌と、私という有能な妻のサポートにより、彼は社交界でも領地経営でも、最高の評価を得ていた。
彼は、私が公爵としての彼の威厳を保つために、裏でどれだけの努力をしているかを、全て理解してくれていた。
「ロキシー。今日の領主会議での私の演説は、君が準備してくれたおかげで、大成功だった」
公爵様は、執務室で、私のために紅茶を淹れながら、そう言った。以前は、使用人に全てを任せきりだった彼が、今では、私に尽くしてくれる。
「公爵様が、ご自身の言葉で、領民に真摯に語りかけてくださったからです」
私は、彼をたてることを忘れない。
「いや、違う。君が私に、公爵としての自信と、愛を教えてくれたんだ」
彼は、私の隣に座り、私の肩を抱き寄せた。
「以前の私は、母上の言いなりで、自分の妻すら守れない、情けない男だった。君が、私を、この公爵家を、そして私自身の人生を救ってくれた」
彼の瞳には、深い愛情と、感謝の念が満ち溢れていた。
「公爵様。私は、あなたの妻ですから。あなたの幸せが、私の幸せです」
私は、彼の胸に顔を埋めた。
(女々しい公爵様を、頼もしいヒーローに。粘着質な義母を、ざまぁの対象に)
私の逆転ざまぁ計画は、完璧な結末を迎えようとしていた。
そして、ある日、公爵邸に、王宮からの使者が訪れた。
使者が公爵様と私に伝えたのは、王からの正式な通達だった。
「バンテス・ヴィンテージ公爵閣下。そして、ロキシー・ヴィンテージ公爵夫人。陛下は、貴公らが、公爵領の復興と、国家経済への貢献に対して、深く感謝しておられます」
使者は、厳かに、そう告げた。
「つきましては、陛下のご意向により、ロキシー・ヴィンテージ公爵夫人に対し、その功績を称え、『内助の功の星』の勲章を授与することを決定されました」
『内助の功の星』。それは、王家が、貴族の妻に対して授与する、最高の栄誉だった。
私は、驚きと喜びに、言葉を失った。
公爵様は、私の手を強く握りしめた。
「ロキシー!君の努力が、ついに王国に認められたんだ!」
彼は、私以上に喜んでくれた。
その夜。私と公爵様は、二人きりで、ささやかな祝宴を開いた。
「ロキシー。君は、王宮からも、私の公爵家を救った、最高の妻だと認められた。これ以上の幸せはない」
彼は、私にワインを注ぎながら、言った。
「公爵様。この勲章は、公爵様が、私の能力を信頼し、私に力を与えてくださった結果です。すべては、公爵様のおかげです」
私は、彼をたて、彼の顔にキスをした。
「君は、最後まで、私のプライドを守ってくれる」
彼は、私を抱き寄せ、優しく、そして深く愛を囁いた。
「私は、君を一生愛する。ロキシー。君こそが、私の真の支配者であり、私の人生を彩る光だ」
私たちの愛は、公爵家の繁栄と共に、永遠に続く。
そして、公爵邸の片隅にいるセリーヌ様は、私たちが受けている栄誉を、ただ静かに聞くしかなかった。
(セリーヌ様。あなたが私に与えた苦しみは、すべて、私と公爵様の愛と、公爵家の栄光へと変わりました)




