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四話

更新致しました!

よろしくお願いいたします!


「三人とも、これ昨日の賃金。ご苦労様」

社長から賃金の入った封筒を渡される。かなり分厚い。

思わず驚愕した。

「愛慈君、驚いているわね」

「はい、仰る通りです」

「愛慈君に、詳しく説明していなかったけど、うちの便利屋は、富俗層専用の便利屋よ」

「では、昨日の依頼主の澤田さんは一体?」

「あの方は、大手企業の会長よ。車の部品を作っている会社のね」

「えぇ…それは凄いですね」

「したがって、私達の仕事にはかなりの責任が随伴するわ。その覚悟はいかがかしら?」

「はい、問題ございません。しかと責任を持って、鋭意努めます!」

「素晴らしい。やはり貴方をうちに呼んだのは正解だったわね」

「社長、なんて愛慈を早く連れてきてくれなかったんですかぁ、愛慈のような相棒もっと早く

欲しかったですよ」

「麗人の言い分、分かる」

社長は微笑んで受け流した。

「今日の仕事も頼んだわよ。私は今日事務所で事務処理をしなければならないから、現場に行くのは

遅れるわ」

「うっす。二人共、行くぜ」

「はい」

「うぃ」

麗人さんの後に続き、道具を全て詰め込んでから軽トラに乗り込む。

僕は麗人さんと一緒の軽トラで現場へ向かう。

「愛慈、お前便利屋の仕事初めてだって?」

「ええ、そうです」

「昨日と同じような事言ったけど、初めてとは思えない働きぶりなんだよな。

長時間動いても、動きに乱れはなかったし、元々運動とかしてたか?」

「はい、散歩など体を動かす習慣はつけています」

「あーな。それなら腑に落ちるな。しかし、愛慈。お前はもっと成長すると俺はふんでいる。

だから、もっと場数を共に踏んで、一緒に成長しようじゃねぇか」

「はい、喜んで!」

「おう!さぁ、今日も稼ぐか!」

笑いながら、話をして、現場へと到着した。

今日の現場は、庭と家の裏の草刈りだ。

「おはようございます。依頼した佐藤(さとう)です、本日はお任せしました」

車の音で、家の中から依頼主が現れた。人の好さそうなおじいさんだ。

「おはようございます。便利屋毎楽です。ご依頼いただきありがとうございます」

「こちらこそです」

麗人さんは懇篤に挨拶をした。

「愛慈、結菜、準備したら早速取り掛かるぞ」

「おっけー」

「わかりました」

荷物を全て降ろして、僕と結菜さんはカマで草を刈り取る。

草刈り機は麗人さんに任せる。

結菜さんは僕とは別次元の速さで草を刈り取っていく。

それこそ、麗人さんに比肩すると言っても差しさわりないだろう。

五分も経たない内に、刈り取られた草が山積する。

二人の刈った草の量はニアリーイコールだ。

僕も負けてられない。

「愛慈」

結菜さんが突然、声を掛けた。

「昨日と同じく、中々動く。素晴らしい、でも無理は駄目。わかった?」

「はい、わかりました」

「ちゃんと自分のキャパシティ内でね」

こうやって作業も心配してくれるだなんて、随分優しい方だ。

モチベーション向上になり、もっと早く動く。

「っ!?愛慈どうした!昨日より早いじゃねぇか!」

「まだ本気ではなかったか」

「皆さんのおかげで、モチベーション上がりました!もっと頑張ります!」

「おっしゃあ!よく言った!」

「うん、それは結構な事」

この体が鍛えられているような感覚がとても気持ちいい。

そのうえ、依頼主からも感謝されて、綺麗になった土地を見ると、更に気持ちいい。

まだだ、まだ僕はやれる。

自らをもっと鍛えんと、疲労と度外視して動いた。

「おし、休憩するか」

麗人さんが休憩の指示を出した。

丁度、体がくたくただったから助かる。

「三人とも、お疲れ様です。こちらどうぞ召し上がってください」

佐藤さんがペットボトルのお茶とクッキーを用意してくれた。

「ありがとうございます」

水分が体に染み渡る。

「朝からこんなに刈っていただいて、本当に助かります」

深々とお辞儀をする。

「それが俺らの仕事ですからね、ご遠慮なくどうぞ!」

「はっはっは、元気な殿方ですね」

二人は笑い合う、なんで穏やかな雰囲気なんだろう。

見ているこちらも和んでしまう。

「何か必要な物があれば、いつでも言ってください」

「ありがとうございます。結菜、愛慈、そろそろやるか」

「うぃ」

「はい」

休めた体を再度動かす。

休んだ分、しっかりと動ける。

この塩梅なら、午前中には庭の草刈りは完了するだろう。

「午前中には終わらせようぜ!」

「おっけ!」

「わかりました!」

麗人さんの一声で、士気が上がる。

無事に、午前中に草刈りを終えた。

「はぁ、やっと終わったぜ」

「二人共お疲れ」

「終わりましたね」

「結菜、お前も分かっているだろ?」

「うん、十二分に分かっている」

二人が謎の会話を始めた。

何の会話は全く分からない。

「愛慈、お前は本当に凄いやつだ。俺たち二人だけなら、これだけの作業、午前中に終わる事は

相違なくなかった。しかし、お前がいると、午前中で本当に終わっちまった。

助かったぜ、ほんと。ありがとな」

「愛慈、ありがと」

「いえいえ、お力になれたら幸いです」

僕が力になれるなんて…。

お礼を言いたいのはこちらの方だ。

働かせてもらえるうえに、こんなありがたいお言葉を賜るなんて、予想できたものだろうか。

あまりの嬉しさに、自然とモチベーションが爆上がりする。

昼休憩も早く働きたくてたまらなかった。


ありがとうございました!

引き続きよろしくお願いいたします!

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