2:私の本心
今日も同じように、起きて、出勤して、退勤して、変わりない日々を過ごしている。
別に不満はない。
そう、不満はないのだ。不満は。
・・・含みのある言い方だって?じゃあ、なにがあるんだ。と、、。
なにがあるのか、私だって分からない。
うまく言語化できないでいるのだ。
近しい言葉で言うなら「漠然とした不安」「孤独感」「虚しさ」。そんなところだろうか。
常にもやもやしている。後輩とお喋りする時間も、同期とランチをする時間も、先輩から仕事を頼まれる時も・・・。
私の人生は平凡だがそれなりにうまくいっていると思う。
そこそこの会社に勤め、そこそこのお給料ももらっている。
人付き合いも下手な方ではないと自負していて様々なタイプの人とそこそこ仲良くやれていると思う。
パートナーはいないけど、昨今独り身だって多いし結婚しなければ、相手がいなければ負け組という風潮はもうない。
一人は気楽だと思うし、相手を探す労力をかけることが面倒なのでこのまま一人でもいいと思っている。
でも、
そうだな・・、
「一人」は別になんとも思わないが「独り」は寂しいかもしれない。
私は生まれも育ちも極々平凡だった。
家族関係が特に悪いわけでもなく、友達付き合いも昔からうまくやれていていじめにあったこともボッチになる経験もしたことがない。小・中・高・大と友達も多いほうだったと思う。
だが今、
地元を離れたわけでもないのに「今でも仲良し」という友達は一人もいない。
なぜかって?私にも分からない。
確かに私から友達を誘うことはない。休みに一人で過ごすのは好きだし友達に会わなくても問題ないからだ。
とはいえ、自分から誘うことがなくても誘われて仲が続くような関係の人だって世間にはたくさんいるだろう。でも私はいつもその場限りで他人との付き合いが終わってしまうだ。
なぜなのだろう・・・?
ーーー嘘だ。
本当はわかっているのだ。分からないフリをしているだけだ。
本当は、心の底では、
私はきっと誰のことも信用していない。誰にも心を開いていない。本心で向き合っていない。
なんとなく、
その時、その瞬間、そのタイミングで
その人の言って欲しいであろう言葉が、態度が、表情が、分かってしまうのだ。
だから私はその人が望む言葉を、態度を、表情を、作るーー。
その人の望む白川音夢を 常に演じている。
なぜって?
そりゃあ誰だって、敵を作りたくないし、嫌われたくはないでしょう・・?
ーーみんな、私のこの薄っぺらさを理解しているのかもしれない。
この、誰とも本心で向き合えない私の臆病で浅はかで、薄汚い本質をーーー。
読んでいただきありがとうございます。