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黒龍部隊

「時間が経つのは早いものです。もう最後の競技となってしまいました。メイン競技!ドラゴンレースです!」

「そのまんまのネーミングセンスですが、白龍黒龍全員が一斉に飛び立ち、順位を競う至ってシンプルなもの。」

「こちらは実質個人戦なので黒龍部隊、非常に有利です。」

「しかも最速シリウス殿がいますからねー。これは白龍部隊、厳しいのでは?」

「いえまだ分かりませんよ!例えシリウス殿が1位であっても、高順位に白龍部隊が集まっていると無意味な1位になってしまいますからね!」

そして準備が整い、白龍黒龍部隊がドラゴンに乗って横に並んだ。


普段の特訓と違って違う項目を幾つもこなすから流石に疲れるな。

最後の競技、ドラゴンレース。距離は約20km。グレイヴの速度なら3分で行ける。負けることはない。だが、あの2人が言うように私が抜け勝ちしてもあまり意味は無い。正直これは仲間を信じるしかない。

「くそっ!また負ける!」

「白龍部隊は相変わらず大したことねぇな。」

「はぁ?」

また始まった。

「おいお前たち、始まるぞ。気を引き締めろ。」

「了解。」

「ちっ、黒龍のクズ野郎共め。」

グレイヴ、期待してるわよ。

何を今更。

「よーい……。」

ドラゴン達が一斉に翼を構える。

「ドン!」

そして一気に飛び立った。

「シリウス殿やはり速い!!どんどん突き放している!」

「どのドラゴンの飛行速度は一般人にはほとんど目で追えないため、水晶ではしっかりはっきり見えるよう魔法をかけておりますので御安心を。」

「普段我々ライダーはこの速度をものともせずに移動しますが、ライダーでもない方々が全く同じ速度で飛ばれると木っ端微塵になります。」

「おぉ!?今回白龍と黒龍、順位がバラバラですよ!?」

「シリウス殿が1位にいるのがかなり痛いですが、2位をトール殿が占領しております。さらに3位も白龍部隊!これは最後まで分かりません!」

「もう1位を諦めた方がいいのではと思うほどに速い!更にはどんどん離れていく始末!」

2位と3位が白龍か。まずいな……グレイヴ。

しゃーない。

「おぉっと!?シリウス殿のドラゴンが後方にブレスを放った!当たってはいないものの白龍部隊が大きくよろめく!」

「ドラゴンレースはこの妨害が面白いんですよね〜。」

「えぇ!妨害によって大きく戦況が変わるのもレースの醍醐味です!」

そして私達はあっという間にゴールをした。後は仲間を信じるのみ。私は緊張で実況の声が聞こえなかった。

「よし!イーサン行け!」

他の黒龍も後半につれ追い上げてきているな。3位と4位に黒龍。これは勝っただろ。

「2位はいい。2位は捨てていいからとにかく3位と4位は死守して!」

だがイーサンがルイスにどんどん追いついてきている。わんちゃん狙えると思ったが、結局ルイスが2位になった。

そして皆ゴールした。黒龍部隊から大歓声が上がった。勝利が確定したからだ。

「ステラ!お前やっぱ最高だよ!」

イーサンはそう言いながら私を軽々持ち上げて肩に乗せた。他の仲間も盛り上がっている。

「ちょ、おいこらお前たち……全く。」

しばらく黒龍部隊、そして客席から大歓声が上がった。

それから黒龍部隊全員で記念撮影をし、閉会式も終えた。総合点数は白龍が約1万二千点。黒龍が約1万五千点で黒龍部隊の勝利だ。

その後黒龍部隊で暗くなるまで宴を開いた。


そして夜になり、私はフリッグと合っていた。

「盛り上がったね〜。凄く楽しかったよ。おめでとう。そしてお疲れ様。」

「ありがとう。あなた凄い目立ってたわよ?」

「え?バレてた?」

「えぇ。すぐわかった。……えっと、あなたに話したいことあって。」

「僕もだ。先いいよ。」

「い、いやあなたが先に。」

「じゃあ……」

「よぉ。」

「イーサン!?」

「どうした?そんな驚いて。」

「いや、なんでもない。」

「あなたがここに来るなんて珍しいわね。」

「まぁな。フリッグ、お前を探してたからな。」

「僕?」

「今更だけどよ、その、悪かったな。色々と。」

「え?」

「話はそれだけだ。じゃあな。」

「イーサン。」

「前々からあなたに謝りたかったみたいね。」

「そうなの?」

「何となくだけどね。イーサンって黒龍部隊の中では比較的まともなのよ?黒龍部隊は接し方さえ間違えなければ良い人ばかりだから。」

「うーん。って謝るって別にイーサンは僕に何もしてないけど。」

「また嘘をつくの?」

「え、いや。嘘なんか。」

「……この前、私が特訓を緊急で一時離脱した時にあなたの心が私にそう訴えたのよ。でも本人の口から聞かないと確証が持てなかった。あなたを守りたくても守れなかった。どうして、正直に言わなかったの?」

「……君が親友であるイーサンを傷つけることになるから。そんなこと君にはさせたくなかった。」

「はぁ。嬉しいけど、もっと自分を大事にしなさい?私にとってあなたはイーサンと同じくらい大事なんだから。」

「……ごめん。ありがとう。もう君には隠し事はしないよ。」

「約束よ?じゃあ私、そろそろ寝ようかな。さすがに疲れた。話はまた今度にしましょ。この1週間は鍛えなきゃ。絶対負けたくないから。」

「えっ、あ、ステラ!」

行ってしまった。また、言えなかったな。いつもタイミングが……こんなに時間があったのに。それに僕は今、なんだかものすごく、胸騒ぎがする。


レースから何日か経ち、私は朝昼晩ずっと特訓を続けた。黒龍部隊と白龍部隊の長は司令官決戦があるため、任務は強制的に休みとなる。

「はぁ、はぁ……はぁぁ。」

おい、いつまでやってんだ。もう夜遅いぞ。

「まだ!確実に勝てるようにしておかないと!」

やれやれ。当日、体調不良で休むなんてことがあったら失格になる。あの小僧のことだ、大して特訓もしちゃいない。

私はグレイヴと特訓した後、まだ打ち込み台に打ち込んだり、素振りをしていた。

「うっ、いっつ!」

また左目が痛い。ココ最近ずっとだ。なんなんだ?ただのアレルギーにしては酷い。ひとまずなんとか痛みに我慢して続けた。

おい……おい、聞こえているのか?……ステラ……シリウス!!

「何!」

ど阿呆が。このライダーの落ちこぼれ。

「は、はぁ?」

能力としては優秀だが、頭が足りてないな。

そう言うとグレイヴはそそくさとドラゴンの住処に帰って行った。

「なんなの急に。」

でも、グレイヴがこんなことを今になって言うってことは何か理由があるのは分かった。レガーレを扱えない時、よく言い返してたな。彼の言っている意味が理解出来なかったから。

「……自分自身を理解していない内は未熟なライダー。そんなのわかってる。でも、それでもやらなくちゃいけない時ってあるでしょ?」

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