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Reターンズ・クエスト  作者: 転香 李夢琉
第三章 ク エ ス ト

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31/41

30 繰り返す時間は過去を変える


 ――あれから、多分四日が過ぎた。夢子さんはには色々教わった。このときのために力も身につけた。今までの僕より確実に強くなっているし、勇気も手にすることができた。僕は必ずこのクエストを達成させなければ、意味が無い。これは、僕のやるべき道だ。


「準備は良いのだ?」


 僕は元気よく返事すると肩に提げているショルダーバックに手を当てる。僕はこの日のために装備を一式した。靴とローブは魔導具だ。ズボンには二本の短剣を差す場所があり、ポーションを入れておく小さなバックも付けている。服には胸当てを付けて、いかにも新人冒険者にしか見えない格好だ。ローブは足首まであり、フードを被ると完全に誰だか分からないようになっている。


「約束事は覚えているのだ?」


 そう。このクエストには絶対に守らなければいけない約束(ルール)がある。


「目立つ行動は避けること、()には見つからないこと。それと、死なないことです」


「特に二つ目は絶対なのだ。それと、コレを過去の僕に渡してほしいのだ」


 そう言って手紙を僕に差し出してくる。受け取るとカバンの中へ入れた。


「……そろそろ時間なのだ。うまくやるのだよ、一綺くん」


「はい。行ってきます!」


 僕の足下にカラフルな魔法陣が現れ、光に包まれるように僕は飛ばされた。

 


 ――五月十日、午前九時過ぎ。

 目を開けると知らない場所、ではなかった。良く見知った北区の裏路地だった。

 過去に飛ぶことができる魔導具。よくこんなモノを作ろうと思ったし、造れたこともすごい。僕は夢子さんに感謝を感じつつ移動をする。


(成功したみたいだ)


 先に正確な日付と時刻を知るため北区ギルドへ向かう。北区ギルドにはまだ一度も行ったことがなかったけど、場所は覚えていたのですんなりたどり着いた。日付を確認すると区の狭間にある、日時計を見に行く。こちらも確認するとまずは夢子さんに会いに行った。


(結界が、確か……あった)


 普通に森に入っただけでは夢子さんの家にはまずたどり着けない。先に結界を少しの間止める必要がある。

 目の前の少し大きな岩を退けると文庫サイズの本があった。手には取らず、表面をパターンロックの要領でなぞると一瞬目の前の視界がぼやけた。


(これで成功かな)


 そのまま森の奥に足を踏み入れていくと見慣れたあの家があった。

 この日のこの時間帯はまだ家に帰ってきていないのは事前に聞いているので、すんなりと家の中に入ることができる。心なしか悪いことをしているんじゃないかと思ってしまうが、未来の夢子さんには許可を取っているんだ。問題はないだろう。


「これでよし」


「――動くななのだ!」


 すぐさま振り向こうとするが嫌な予感がしてその場に停止する。なんとなく両手を上げると声を掛けてみた。


「あ~と、怪しい者じゃないです」


「誰なのだ? どうやってこの領域に入ったのだ」


(まあこうなるか……というか帰ってくるの早いって)


「未来の夢子さんに入り方を教えてもらいました。この時間帯ならまだ帰ってきてないから、鉢合わせせずに忍び込めるって」


 夢子さんに背を見せているので、どんな表情をしているか分からない、相手の様子を窺うことが出来ない。しばらく沈黙が降りると夢子さんが口を開いた。


「……つまり、未来の僕は実験に成功したわけなのか」


「ですね。それと、夢子さんに手紙を預かってます」


 そう言うと僕はようやく前を向けれた。夢子さんの手には竹筒があり、銃のような形になっていた。おそらくこれも魔導具だろう。

 手紙を渡すとすぐさま読み始めた。


「これは……僕の字なのだ」


 読み終わると一息吐いてから何かを渡された。


「新しい召喚者が居るのは知っているのだ。まさかその新しい召喚者が、未来から僕に会いに来るとは思わないのだ。これは、選別なのだ」


 一見するとただのペン。


「僕は魔導具作製と結界が一番得意なのだよ。ソレがいざというときに()()守ってくれるのだ。と、これは未来の僕からの選別で、今の僕からはこれを渡すのだ」


 そう言って今度は指輪を差し出してきた。ちょっとびっくりしたけどさすがにそう言うわけではないだろう。


「この魔導具には自分の姿を隠す魔法と、身体能力を一時的に強化する魔法を組み込んでいるのだ。正確に測ったわけではないのだが、使えて三回くらいなのだ」


 使用制限があるのか。使い時を間違えないようにしなければ。


「あとは……今の君に託すのだよ。がんばれなのだ」


 そう言われると僕は返事をして家を出た。

 足取りは軽い。

 今の僕なら何だって出来そうだ。


 ――さっそく僕は北区に戻り、それから()()()()()()、南区へと向かった。


 今の時間を見るに、僕は最初のクエストである本の整理をしている頃だろう。それから昼を過ぎればクックおじさんのところへ配達。このクエストは無視してもほぼ影響はないだろう。あるとしたら魔獣だ。サーペントタイガー、もしくはブルーウルフが一番怪しい。こいつらさえいなければゼロ週目の緊急クエストでテイクさん達は死なない。そして二週目でシルフィーデさん達も偶然出くわして死なない。

 僕はまず魔獣の単独討伐に挑む事を決意した。

はい。ストックが尽きました!!

そして一話分書けました!!

明日の分は大丈夫かな。まあ、最終話までの構成は書けたので多分スラスラ行けるんじゃ無いかなって思ってたり……

良ければブクマや評価してくれると励みになります!

ではまた明日──

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