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Reターンズ・クエスト  作者: 転香 李夢琉
第一章 異世界、そしてクエスト
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01 帰りたい

新作始まりました!!

今日中に3話投稿する予定なのでお見逃しなくっ!


 召喚された。そのままの意味で、突然おかしな世界に来た。床を見ると不思議な模様のある絨毯、その周りに等間隔でろうそくが立っている。すると目の前に影が落ちた。


「ようこそ。ここはあなた方の言う異世界、ディスピアエデンです」


(……いせかい? 冗談じゃない。僕は今から彼女とデートに行くんだ)


 訳の分からないことを言われ思わずキレてしまう。


「突然召喚されて困っていますよね。でも安心してください。クエストをクリアすればちゃんと元の世界に帰しますよ」


 心を読んだかのようにスラスラと言ってくる。僕は思わず反射的に訊く。

 

「それは召喚されたその日に戻してくれるの?」


「……ええ、もちろん」


 謎の間を置き笑顔で言うと微笑む。途端に不安が押し寄せてきた。と、もう一つ疑問に思ったことを訊く。


「それで、クエストって言うのは?」


 なにやらゴトゴトと台を運んでくる執事のような人。台を置くとその人は去って行った。山のように、とはいかないまでも五センチほど厚みがある。紙を上から数枚取ると僕に見せてきた。

 

「ここにあるのはすべてクエストです。規定の数クリアしていただければ」


 雑用:用水路の掃除。ポイント一

 雑用:荷馬車の荷物詰め、降ろし。ポイント一


(なにこれ。こんなのしたくないんだけど……)


 思わずため息が溢れる。


「他にも色々ありますよ。例えばドラゴン討伐だったり、ゴブリンの巣の調査。他には盗賊の捕獲──」


「もっ、もう良いです……」


 何故かにこやかにいろいろとクエストを提示してくる。しかし情報収集が追いつかずストップを掛けた。

 

(いや、うん。諦めて地道に雑用しよう)


 気を取り直して頭の中を整理すると、一つ気になることがあった。


「そういえばこのポイントって言うのは?」


「簡単に言えばお金ですね。一番安い宿で一ポイント、食事付きだと三ポイントですね」


 なるほどと腕を組むと僕は考え始めた。

 

(う〜ん。どれが一番楽か、早く帰りたいしすぐ終わるのが良いな……)


「そろそろ時間ですね。ではいってらっしゃいませ」


「え? え?」


 まだ悩んでいる最中なのにも関わらずあれやこれやと追い出されてしまった。後ろを見ると王宮。そしてでかい扉が大きな音を立てながら閉まっていく。僕は目をぱちくりとさせながら目を背けた。


(あ、門番みたいな人居る)


 仕方ないので歩き始めた。


「お前が新しい召喚者だな、話は聞いている。頑張ってこい」


「え、あ。はい……がんばります?」


 もうすでに門番の人まで話が行っているようだ。まだ僕が召喚されて一時間すら過ぎていないというのに。あいさつした手前、ここに留まっていくのもどうかと思い数歩進むと腕を組みこれからどうしようか考え始めた。

 ふと、城内の光景が目に飛び込んできた。


「ひっろ! てかでっっか!」


 思わず声を上げてしまった。とりあえず街並みが凄い。ビルなどの高層物はないにしても密度が高く、一つ一つが大きく感じる。よく見ると海外であるような石造りの家が多く、木造のものはほとんど見られない。建物の奥には外壁がそびえ立っていた。


(無駄に高くね? 進○の巨人かな?)


「はぁ……」


 一つ呼吸を挟むとこれからのことを考え始めた。街への階段を降りながら「ううむ」と唸る僕。考え事しながら歩いていると目の前をサッと横切る人影に思わず顔を上げた。


(あ、耳が生えてる。ってことは獣人かな? あ、耳が長い。じゃあエルフっていうやつか。へ〜、いろんな種族がいるんだな〜)


 日本では、というか地球では見られない異種族に思わず歓喜の声が漏れてしまう。その人が行く先を目で追ってしまい、ハッと我に返る。


(ダメだダメだ。僕には彼女がいるんだ!)


「え、なにあれ?」


 よし、と息込んだところで不自然すぎる変なモノを見てしまいびっくりしてしまう。

 ……大きい。いや、そもそもの問題文字が読めない。


「英語じゃないし、韓国語でもない……なんか、読めそうで読めない」


 看板の主張が激しすぎる。でかいし、煌びやかで派手だ。かと言って文字が読めるわけないのだが。

 

(あれ? でもクエストはどれも読めたな。なんで?)


 特にあれが日本語だったと言うわけでもないが、意味が理解できていた。謎に思い頭を捻る。が、とりあえず考えるのがめんどくさくなり思考を辞めた。

 目の前には噴水があり透き通るようなきれいな水が流れている。周りにはベンチもあり、座って談笑してる人や寝転がっている人も居た。


「いろんな人がいる。なんか怖いな」


 知らない街に、知らない人達……いや、異世界だからあたりまえなんだろう。だがそれでも僕たちとは多少なりと価値観が違うはずだ。郷に入っては郷に従え、僕の常識は通じないモノとして考えなければいけない。とはいってもやはり、


「あぁ~……帰りたい…………クエストねぇ」


 大きなため息と一緒に弱音が吐き出される。ドラゴン討伐の報酬がポイント50だったわけだが、多いのか少ないのか正直よく分からない。それよりも、この世界の金銭価格がどれくらいなのかも分からない。

 分からないことばかりだ。むしろ、分からないことしかない。


(雑用、雑用ねぇ……途中で飽きそうなんだよなぁ。僕の性格的に。すぐ終わりそうな雑用ってないかな……あるじゃん!)


 ペラペラと持たされたクエストを捲っていると、気になる見出しのクエストがあった。



  

公募用に頑張って書いたものなのでどれくらい伸びるか、伸びないかも知れないけど、たくさんの人に読んで貰えると嬉しいです!!

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