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これは,彼女の物語  作者: 皐月定家
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〜または,あの子の物語〜

最後に見えたのは,あなたの醜く歪んだ真っ赤な唇.

真っ赤な赤い光が,彼女を包み込む.

彼女は,神にすら愛されているのかと,頭の片隅でそう思う.

幼い頃から,神童だと言われるほどの聡明さ

この国で一番と謳われている美貌.

この国で一番な幸せと言われる,王太子の婚約者に選ばれるのも,この,二点だけを見れば頷ける.

そう,この()()だけならば.  

彼女は,私のお義姉様(おねえさま)

私の,憧れのお義姉様(おねえさま).私の,唯一のお義姉様.

私の大切なお義姉様(おねえさま).私の大好きなお義姉様(おねえさま)

そして,私が大嫌いなお義姉様(おねえさま)

ねえ,あなたは,どうして私が嫌いなの?

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