悲劇から
1人の男の子が両親を失った
名は佐々木叶羽
死因は猛獣襲撃によるものだった。
佐々木家は裕福でもなく貧乏でもない普通の家庭だった。
父と母と一人っ子の息子の3人家族
叶羽は反抗期だった。
毎日母親に指摘されるのが嫌だった
「叶羽!勉強しなさいよ」
「うっせいんだよ!ババァ」
良くあるセリフに良くある返し
そんな日々を繰り返した日の事だった
いつもと同じく暴言を吐き2階に上がる
そんな時、死ぬまで記憶に残る悲劇が始まった
猛獣が町を襲撃し、周りの家が崩れ始め、避難を開始しようとしていたが、間に合わなかった。
家は崩れ家族は瓦礫に埋もれた
母が瓦礫が崩れる直前、叶羽を前に押して少しの怪我で済んだのが幸運だった
母は瓦礫で致命傷を負っており、もう助からない状態なのが自分でもわかった。
辺りを見渡すが父親の姿が見えなかった、
母親を助けに向かうが足は瓦礫で潰れてもう歩けない様な状態だった
「おい!こんなとこで死ぬのかよ!」
自分なりに考えた一言だった
何せ自分は暴言を吐き母親を侮辱してきたのだ
「大丈夫」なんて言葉は使えない
母はかすり声でなにか喋ろうとしていた
「私達は叶羽を愛している。それだけは忘れないで」
もう自分はダメだ、それを語るような一声だった
これっきり母親から次の言葉が放たれることは無かった。
この猛獣襲撃は約50人程が犠牲になった
世界的に見ても大きい猛獣襲撃だったのだろう。
母親は死亡、父は瓦礫に埋もれその後は猛獣に踏まれたのか死体が服と血でしか残って無かった
葬式も終わり叶羽は近所の知り合いのおじいちゃん夫婦の所で養って貰っていた
おじいちゃん達は子供が出来なくて寂しいかったのか、ものすごく優しかった
テレビを見ると猛獣襲撃時の事が放送されている。あまり見る気になれないと、テレビのチャンネルを変えるすると、
そこには日本猛獣対策組織の記者会見が放送されていた。
記者が「未然に防ぐことは出来なかったのでしょうか」などと言っているがそんなことはどうでもいい。帰ってこない命なのだから。
叶羽はJBOは知ってはいたが、あまり興味は無かった。
しかしその記者会見が終わったあとのCMだった
「隊員募集!」
などと書かれたものだった。
「なぁ!俺隊員になっていい?」
おじいちゃんに問う
「あーいいよいいよ」
と、軽い感じだった
今は中学一年生まだ体は出来上がっていない
入団は高校卒業にしてからにしよう
そんなことで叶羽の目標が決まった