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第八十八話 ツーマンセル

 俺は織曖さんから、松川利斎の居場所や、松川利斎を守護している人の数などの情報を聞き、その場所へ向かった。織曖さんから受けた命令は、今日中に下見をして、今日中に攻略せよ、である。

「ここか……」

 俺は他の建物の影に隠れそう呟く。

「そうみたいね」

「……」

「?どうしたのよ、誠?」

「どうしたじゃないですよ瑠璃先輩るりせんぱい

 俺は、隣で松川利斎の居場所の小綺麗こぎれい廃屋はいおくを眺める瑠璃先輩に思わずツッコミを入れた。瑠璃先輩は、俺が川蝉の本部を出ようとしているところで偶然出会い、どうしたのかと聞かれたので説明したら、こうして付いて来たのである。瑠璃先輩談によると「一人より二人の方が効率良くできるでしょう?」とのこと。……まぁ実際その通りなので、こうして付いて来てもらっているのだが。俺と瑠璃先輩は、一旦その場から離れた。

「どうしようか、誠」

 俺と瑠璃先輩は、近くの公園のベンチに座って話し合いをした。

「人数が二人だから動きの幅が広がる。……そうだな、よし、もう変なな策捏さくこねないで普通に正面から入りましょう。敵が現れ次第赤力術式(せきりょくじゅつしき)で倒して、それで倒れなかったらアドリブ、で良いんじゃないでしょうか?」

 俺の発言に瑠璃先輩は、あきれたような表情を数秒していたが、やがてあきらめたように微笑んだ。

「それで良いわよ。……それで織曖さんが良しと言ってくれれば良いわね」

「それに関しては瑠璃先輩とツーマンセルすることすら許されているか分からないので、もう関係なくないですか?取り合えず、今日中に松川利斎を拘束すれば攻略完了なんで」

 俺がそう言うと、瑠璃先輩は溜息を吐いたが気にしない。

「では瑠璃先輩、今日の十八時、ここ集合で良いですか?」

「えぇ、了解したわ」

 そう言い合い、俺と瑠璃先輩は作戦の準備のため、それぞれ動き始めた。

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