第八十一話 異端なる作戦【ある魔浄教団視点】
「どうなっている!団員を三十名以上失っただと!」
ある同士が、声を荒げる。周りは、その言葉に同調するように捲し立てる。
「どうするんだ!この状況!」
「我々はどうなるんだ!」
周囲の声は徐々に大きくなっていく。
「まぁ落ち着け」
俺が声を上げるが、だがその声も周りにのまれ、消え入る。その間にも、話は進んでいく。
「どうにかして活動資金を集めなくては……」
「だがどうやって?」
「単純な活動だけでは、資金は大して集まらない!」
「もう本番に移るしかないのではないか?」
「それをするのにも金が要るのだ!」
「どこかを襲撃するのが手っ取り早いのだが……」
「それはさすがに駄目だろう。……大義名分でもあれば別だが――」
「なぁ分離寄生命体の施設を襲撃するのはどうだ?」
話しはトントンと進んだ。同士達は議論の末に、そんな結論に至る。その言葉を聞いた同士達は、希望の光を目に灯した。
「分離寄生命体の施設と言うと?」
同士の一人が、興味を示して聞いてきた。相手の同士は、ニヤッと笑い、周りにも聞こえるように返答した。
「例えば、学校施設とか?」
ある同士の意見に、他の同士達は頷いた。確かにそこなら、分離寄生命体の事を仕留めることも出来だがこっちのる+、生徒らの解放に身代金を請求すれば、資金調達も出来る。やっていることはテロ行為だが、罪が増えるのは大したことではない。我等は聖使に選ばれた者、魔浄人なのだから。




