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第七十六話 情報収集報告

 パーティが終わり、俺達は紫穂達に礼を言った後離れ、帰宅はせず、川蝉のリーダー織曖さんの居る川蝉本部へ向かった。瑠璃先輩と静は、俺が「織曖さんの所へ向かう」と言うと、二つ返事でついて来てくれていた。他愛のない会話少なからずしているが、だれが聞いているとも(・・・・・・・・・・)|分からない往来で話せない・・・・・・・・・・・・・は、ここで会話に出すことはなさそうだ。そして俺達は、本部に着く。ここは公式に川蝉の本部なので、合言葉などは無く、受付を通して執務室へまで一直線。そして扉をノックすると「入ってくれ」と声がすぐに入ってくる。扉を開けると、書類の山を情報処理担当と共に処理をする。織曖さんがいた。

「今は忙しいですか?」

「まぁな。命令をして日にちが立つからね。魔浄教団の情報がもうわっさわっささ。エルブは急ぎの用事かい?」

「はい、松川利斎の件で早急さっきゅうに織曖さんの耳に通しておきたいことが」

「ほぅ、と言うことは……」

 織曖さんはにらめっこをしていた資料から目を話し、したり顔でにやける。

「えぇ、やはり松川利斎は魔浄教団と繋がっていました。妻子を監禁されているようです」

「なるほど……どこまで聞けた?」

 俺の言葉に、織曖さんは質問をしてくる。

「松川利斎は自宅に、妻子は東スラム街にいるとしか、東スラム街のどこにいるかなどは松川利斎も知らないようです」

 俺が淡々と報告すると、段々織曖さんの顔が仕事モードの真剣な顔へ変わっていく。

「それで、依頼をしてくれるかについては?」

「すみません、周囲に大勢他の人物がいまして、そこまでは。それと、室内でしたが遠くに監視も確認できました」

 そう言って、俺達は織曖さんに頭を下げる。

「構わない。十分だ」

 俺達が頭を上げると、織曖さんは少し表情を柔らかくし、賞賛するように頷いた。

「そこまで絞れれば、一日も掛からずに特定が出来るだろう。敵のアジトや詳しい人数などはまだ判っていないが、彼ら以外で監禁されている者が居る可能性はほぼ無いらしい。ならば彼らを救出すると同時に糸を張り巡らせ、挙動が変わった所を見つけ出して叩けば良い。西以外の地区で魔浄教団まじょうきょうだんの報告は上がっていないからな。川蝉だけでも監視する事は出来る」

 俺達はその言葉を聞き、いつも通り大雑把な作戦であったことに苦笑いをしたが、すぐに真剣化表情に戻し、織曖さんの言葉を聞いた。

「その情報、他の者にバレた感覚はあったか?」

 織曖さんが聞いてくるが、特にそんな感覚はなかったので、よく思い出しつつ返答する。

「大丈夫なはずです。他の人間は俺達の会話を聞いていませんでしたし、会話の後、松川利斎他の人物も特殊な行動は取っていませんでした」

「了解した。では捜索隊をすぐに準備しよう。救出決行については、川蝉を飛ばす。ご苦労だった、今日はゆっくり休んでくれ」

 俺達はその言葉に頷き、それぞれ自宅へ帰ることにした。

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