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第七十三話 貴族の夜の待ち合わせ

 そしてパーティ当日、俺と瑠璃るり先輩、しず朝雲あさぐもは、紫穂との待ち合わせ場所に向かった。

「こっちこっち、誠くん!」

 俺は紫穂しほの声を聞き、そちらへ向かう。そこには、紫穂と背の高い青年、そして数人の侍女が立っていた。

「待たせたかな?」

「いえ大丈夫ですよ?……そちらが凪園なぎぞのさんですね。こんばんは、私は永津希ながつき紫穂しほです今日はよろしくお願いします」

 俺が少し心配気味に言うと、スレンダーラインのドレスを着た紫穂は少し恥ずかしそうに視線をそらしながら笑って否定し、気になっていたのか、初めて会う瑠璃先輩へと話しを振った。

「こちらこそよろしくお願いします。永津希さん。誠の友人・・の凪園瑠璃です。今回のパーティ参加にご配慮くださりありがとうございます」

 瑠璃先輩は紫穂の言葉に恭しく返答する。(瑠璃先輩が友人といったのは、詳しい事情を聞かれ、ボロを出さない為)紫穂はその言葉を聞いて少し驚く。

「そんな固い態度じゃなくて大丈夫ですよ。」

「ですが……」

「良いんですよ。凪園さんは誠くんの友人なんですから」

 そう言われ、瑠璃先輩はおし黙る。そして渋々頷く。

「それなら私の事も瑠璃と呼んでください」

「はい。分かりました、瑠璃さん」

 二人がそう仲良く話していると、紫穂の後ろから背の高い青年が、咳払いをする。

「紫穂、僕にもそろそろ挨拶をさせて欲しいな」

 背の高い青年の発言に、紫穂は慌てて横にのける。すると背の高い青年は苦笑いをし、こちらに直って言葉を発した。

「こんばんは、僕は紫穂の兄で、永津希ながつき 晃輝こうきだ。君たちは今日、僕たちの身辺警護員として入ってもらうことにした。このパーティは従者をはべらせることは基本的に駄目だからね。身辺警護もギリギリなのだが、大貴族も他の騎士爵きししゃくの貴族を身辺警護として侍らせているからね。僕達もそれに便乗させてもらった。紫穂の話を聞いていると、新藤君はとても強い騎士らしいからね。そこら辺も期待しているよ」

「はっ、ご期待に応えられますよう、尽力させていただきます」

 俺が胸に手を当て、腰に帯刀した天風を軽く掴む、騎士礼をして言うと、晃輝さんは柔らかく笑って「頼んだよ」と言った。そして俺達は、少しだけ離れた場所にあった、パーティ会場に向かった。

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