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第七十一話 カフェ会議

「いらっしゃいませー」

「四人なんですけど、個室は空いてますか?」

「はい開いていますよ。ご案内いたします」

 俺達は、個室カフェに来ていた。ここのカフェは防音加工のされた壁で、秘密の話をするにはちょうどいいのだ。俺達は個室に着き、すぐさま荷物を端に固め、注文を取った。

「ブレンドで」

 俺は一番に頼み、流れを作る。

「私はカフェラテを」

「あっ、私はキャラメルのフレーバーコーヒーをください」

「俺はナッツのフレーバーコーヒーで」

 俺の次に、静、瑠璃先輩、朝雲が順に頼む。店員は「かしこまりました」と注文を繰り返した後に言い、個室から出ていく。だが、品物が届くまで本題は話さない。そのため、話は必然的に先ほどまで言っていたブランドショップの話になる。

「いやー高かったなー」

「本当よねー。請求書届いたら織曖さん、どんな顔するかしら?」

 俺の発言に、瑠璃先輩が反応する。確かにそうだ。

「でもきっと織曖さんはそこら辺を理解して経費で落としてくれたんじゃない?」

 その会話に静も入って希望的観測をする。……もうそうであると思うしかない。俺達がそう思い頷き合っていると、それぞれコーヒーが届く。俺は自分のコーヒーを持ち、口に運ぶ。心地よい苦味と深いコクのある芳醇な味わいが口腔いっぱいに広がる。その味を噛み締めながら、俺は本題へと移った。

「さて、じゃあ話をしよう。今回の作戦は、協力者のお陰で潜入に関しては(・・・・・・・)迅速に行う事が可能になった。問題は、どう松川利斎と接触するかなんだよな~」

「そうね。絵を披露するのだから、近くで見させてもらって、感想を言う流れで隠語的に聞く、みたいな感じかしら。あとは、松川利斎がフリーの時を狙うのがベストだろうけど……」

「どっちにしても、周りに人がいる。気を付けた方が良さそう」

 瑠璃先輩の言葉に、静が忠言する。瑠璃先輩は「そうなのよね~」と返答したが、言葉がそれ以上出なかった。そのタイミングで朝雲が、言葉を発す。

「今回行くパーティなら、会話する機会はあると思いますよ。周りに人はいますけど、個々ここじんで挨拶は出来るはずです。その時に隠語などで話せば良いと思います」

「それもそうだな。挨拶が出来るまでの距離に行ければ、少し小声で話しても問題はないだろうしな」

 朝雲の言葉に俺も同意し、瑠璃先輩と静も同意する。

「あと他に必要な情報は……」

「パーティ会場の内部の情報だったり、その周辺の塵もかしら?」

「あと、考えられる状況や物事への対処法も必要」

 俺達はそう話し合いながら一時間ほどの後、カフェを退出し、その場は解散となった。

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