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第三十七話 休日の朝
ピピピ、ピピピ、ピピピ……
「んっん~!」
小さいながらによくとおる目覚まし時計の音を聞き、俺は目を覚ました。そして虚ろな意識で目覚ましを叩く。その時の痛覚で、完全に目を覚ました。俺はすぐさま音を消し、周囲の音に耳を澄ませる。なぜなら目覚まし時計が鳴った時間が時間だからだ。いつもはこの家に俺以外人がいないので構いはしないのだが、これからは人がいる、しかも二人もだ。そのため、これからはもう少し小さい目覚まし音にしようと考えながら、周囲の音を聞くが、目を覚ましたような音は聞こえない。「ふぅ」と安どの息を漏らし、俺は動き出した。朝五時なので、もう薄明の空は終わりを告げ、朝日が昭かに輝いている。俺は、そんな景色を横目に、服を動きやすい薄手の運動着に着替え、外に出る。そしていつものランニングコースに向かった。




