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第三話 二人と一羽と一匹と
「誠、じゃあいこっか」
玄関先に彩芽が小鳥より少し大きめの猛禽類、薙摘を肩にのせながらこちらに向かって手を振っている。
「あぁ、今行く」
俺は居間で毛繕いをしていた天風を見ると天風はそろそろとこちらにやって来て足元につきすりすりと頬を押し当ててきた。天風の眉の間をゆっくりと撫でた後、ともに玄関へと歩き出した。
「誠おっそーい!」
「ごめんごめんっ」
誠は彩芽に謝罪すると、二人と一匹と一羽で学校へと歩き出した。変わらないいつもの一日を送るために。