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第二十八話 決着後の時間

「勝者、刃境千姫っ!」

 言乃ことのの大きな声が、スピーカーを通して体育場中に広がる。観客席で観戦していた生徒たちは、拍手や歓声を浴びている。俺はあの後地面にそのまま落下し、残りヒットポイント一割以下残っていたが、自分が動けないことは分かっていたので、早々と降参した。そして今、寝そべっている状態から、ゆっくりと立ち上がっていると、小走りで俺の下に刃境さんがやってきた。

「大丈夫ですか?」

 と、刃境さんは俺を心配しながら手を差し伸べてきた。さっきまでの戦闘でしていた、凛とした目からは想像もつかない、心配した表情をしていた。

「あぁ、大丈夫だ」

 俺はそう返答し、差し伸べられた手を握る。すると、刃境さんが俺の手を強く握り、

「本気じゃなかったですね」

 と小声で言った。俺はその言葉にニヤッと笑い、

「それはお互い様だろ」

 そう言い返した。確かに俺は本気ではなかった。だがそれは刃境さんも同じである。それは、武器をぶつけ合ったもの同士ならよくわかることであった。まぁ本気がどの程度なのかまでは分からないが……。俺は、そう思いながら、刃を競い合う新たな強者との出会いを素直に喜び、起き上がった。

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