第二十四話 お休憩の時間
「いっててて……」
俺は刃境さんに一礼した後、一旦天風を形態変殻させ、その天風に片手を突きながら、体育場の端、いつものメンバーが集まっているところに向かった。すると美幸がすぐに気づき、手を振ってきた。俺も手を振り返すと、緊張が解けた影響か、体がギシギシと痛み始めた。
「大丈夫ですか!?」
俺が痛みに顔をしかめ、歩く速度を落とすと、即座に気づいた紫穂が心配した面持ちで駆け寄ってきた。
「少し体が痛むだけだから大丈夫。五分も休めば少しは……ほんとに少しぐらいは良くなってるはずだから……」
俺の発言に紫穂は「それのどこが大丈夫なんですか?」と返答しづらいことを言い、より一層心配してきた。すると紫穂の後ろから歩いてきた友也が頭をポリポリと掻きながら、
「大丈夫だよ、そいつはどうせ、後半になればアドレナリンドバドバで、痛みなんかどこかにすっ飛んじまうから」
と言った。その言葉に紫穂が「だからそれのどこが大丈夫なんですか?」と、少し力のこもった声で言った。
「なんでみんな誠くんにそう大雑把なんですか?彩芽ちゃんも前、誠くんのことを戦闘狂だから大丈夫とか、アドレナリンのバーゲンセールだから大丈夫とか……みんな、大丈夫と心配する必要がないをはき違えてない?」
俺はとても心配してくれている紫穂を軽くなだめ、安心させると、いつもの紫穂に戻ったので、俺たちは休憩に入った。そして俺は、次彩芽に会った時に、アドレナリンのバーゲンセールについて、問い質すことにした。




