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第二十一話 体育の授業

 俺たちは、次の授業のために、教室から出、室内通路を通り、コロッセオのような体育場に隣接している更衣室に入った。更衣室で、体育の授業用の特別な合成繊維ごうせいせんいを使った上下タイツと、その上に半袖で厚手の体操服を着て、体育場へと出た。俺が着替え終わり外に出たときには、もうほぼ生徒が体育場に集まっており、俺が集合場所に集まって数分で、チャイムが鳴り、体育の授業が始まった。先生が説明した授業内容は俺の好きな内容だった。最初に全員で準備運動をした後、少しの声出しランニングをし、事前に先生が連れてきていた生徒全員の分離奇生命体と合流して、再び先生の前に集まった。

「よし、みんな自分の分離奇生命体とペアになったな。これからはお前たちの副担任、三橋先生にも監督してもらう。それでは、改めて今回の授業を説明する。」

 三橋さんは体育の授業を観るんだなと、ぼーっとしながら再び授業内容を聞いた。

「試合は一対一。前後半十五分ずつ、後半前に五分の休憩をとる。そして今回の試合形式は『ヒットポイント戦』だ。ヒットポイントは千とする。攻撃方法は物理攻撃と赤力による攻撃。赤力術式に関しては中位の術式まで許可。武器に関しては、分離寄生命体以外の武器は、俺か三橋先生に確認してもらって許可を得なければ使用してはいけない。そして魔眼の使用は禁止する。勝敗はヒットポイントが全損する、気絶、三十秒以上倒れた状態のまま、大怪我を負う、降伏、その他審判、監督役が戦闘不能、危険と判断した場合に決定する。……っと一様確認しておくが、今体操服の下に上下タイツもとい、『形式試合専用戦闘服けいしきじあいせんようせんとうふく』を着ていないやつはいるか?着ていないと物理攻撃を防ぐ斥力術式せきりょくじゅつしきも、赤力防御術式も作動しない、それにダメージ計算もしてもらえないからヒットポイントも減らない。その服は、斥力を強化する赤力陣と、赤力の攻撃を防ぐ赤力陣と、ダメージを計算して反映させる赤力陣が刻印されている。その服がウン万円したのもそのせいだ。なので、絶対に形式試合専用戦闘服を着ているように。ちなみにだが、この服はこの体育場のほかに数か所ほどでしか使えない。なぜならその服とこの体育場は赤力で連結されてい……話がそれてしまったな。では、二人一組になって準備をしてくれ。移動!」

 先生の言葉を皮切りに、生徒たちがグループを作っていく。その中で俺は、友也、美幸、紫穂、真十花の五人のグーループになった。

「今回はどうしよっか?」

 美幸の言葉を聞き、俺は周囲を見渡した。なぜなら、俺たちの集まりは五人しかいないため、いつも一人余ってしまうのだ。最初のころは他の人を誘っていたのだが、入学して一ヵ月も経つとグループが固まってしまい、余っている人があまりいない。……そういえば今日編入してきた刃境さんはどうしているのだろうか?

「……」

 刃境さんは他の女子と話していたが、一緒にやるわけではなさそうだ。その光景を見ていると、他の女子との話が終わった刃境さんの視線が、その光景を遠めから見ていた俺の視線と重なる。すると、刃境さんがトタトタと歩いてこちらにやってきた。

「すみません。誰か一緒に組んでもらえませんか?他の人に頼んだらなぜか皆さんが、新藤さんと組んだ方がいいと……なぜでしょう?」

 刃境さんは本当に不思議そうな表情としぐさを見せる。

「この反応じゃあ、あの言葉に深い意味はなかったんだね~……」

 美幸が少し残念そうに小声で漏らす中、俺は刃境さんの要望に了承していた。

「じゃあ誰と組む?」

俺の言葉に友也が反応した。

「んー、あれがそういう意味じゃないなら、グッパーとかでいいんじゃないか?」

 友也の出したアイデアに全員了承し、輪になった。

「グッパーグッパーグッパッパ!」

 友也の溌剌はつらつな掛け声とともに、輪の真ん中に手を出した。

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