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カニンとカノン  作者: 伊藤むねお
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もよう替え

 さらにまずかったのは、亮太がそれを見たことだった。

 もともとメダカは、実はフナやオイカワが亮太に知られないように少しずつ食べていたのだからカノンの罪はフナやオイカワたちに比べればずいぶん軽いのだが、そうとは知らない亮太は大憤慨して、お父さんに訴えた。

 お父さんは亮太のように大憤慨はしなかったが、ちょっと考えて嬉しそうに、模様替えをするといった。

「こういうのはどうかな。カニは熱帯魚の水槽に移そう。しかしミドリガメとカニでは危ないから、カメは別の水槽にカメ専用の砂場を造って移すんだ。カニはやはり水温がある程度高くないと動きが鈍くなってしまってつまらないからね。そうだ、あの大ナマズの水槽がいいだろう」 

 大ナマズというのは南アフリカ出身の珍しいもので、往来縁起帳の記録をみても、これまでで一番高い買い物だった。もちろんヒーター付きエアーポンプ付きの一番立派な水槽に住んでいた。

 亮太が大憤慨をしたとき、カニたちはこいつは大ピンチだぞと思ってひやひやしていたが、案に相違してずいぶん結構な具合になった。棚も前の倍以上の広さがあり、水も前とは比べ物にならないほどきれいで、生まれた入間川の水を思い出すほどだった。ただ少し暑すぎる気がしたが、それもすぐに慣れた。


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