キャラと影の薄さは別問題
新キャラもっとくるよ
「え...あーえっと...あはは、面白い冗談だな。そんなことより友達待たせたら悪いし早く行ったほうがいいんじゃないか?」
紗奈はゆっくり手を引っ込めてそうですねと微笑みを浮かべた。
作ったような微笑みで目は笑っていなかった。
俺は逃げるように部屋に戻った。
とりあえずさっきの言葉の意味は深く考えないでおこうと思い動画を見ることにした。
ヘッドホンを装着して今期のアニメを見る。
アニメを見ていると何もかも忘れられる。
このアニメ文化でどれ程の人間が脳ミソ溶かして生きてるんだろうと心配になるレベルだ。
アニメを見終えてヘッドホンを外す。
「今期は2期目のアニメが多いから1期の方も見たくなるんだよな」
「そうなんっすよね。特に1期と2期でアニメ会社が変更になって画風変わると余計に見たくなるっす」
「あー分かる。比較とかしちゃうよな...って誰!?」
全く気付かなかった...
気配もなく急に隣に現れたぐらいの気配の無さだった。
「急に声掛けちゃって申し訳ないっす。ウチは紗奈ちゃんの友達の庄野 黒っていうっす。因みに妹は庄野 白っすよ」
「庄野さんはなぜ俺の部屋に居るのかな?」
「いやん♪黒って名前で呼んでくれないとい・や・っ・す・よ♪」
なにこの子絡みづらい。
「えーっと...黒さんはどうして俺の部屋に?」
鍵は閉めてたはずなんだけど。
「そんなのピッキングしたに決まってるじゃないっすか。いやなに、ちょいと挨拶しようと思いまして」
なんなのこの子。
「じゃあ挨拶したよね。よし、戻ろうか」
「別にいいじゃないっすか。減るもんじゃなしに...あっ、アレっすか。思春期の熱い欲望をぶつける的な。それはそれはお邪魔っすね。空気読めなくて申し訳ないっす。」
「そうじゃないけどみんな待ってるだろ?」
「挨拶して来るって言って出てきたから大丈夫っすよ。あとどうせ欲望をぶつけるならティッシュじゃなくどうぞウチに...」
「やんないってば!ってかなに言い出すのこの子!」
「冗談っすよ♪そんなことしたら紗奈ちゃんに殺されちゃうっす。わりかしマジで」
この子は紗奈のことを良く知ってるように見える。
「なぁ。学校だと紗奈はどんな感じなんだ?」
「そうっすねー。頭が良くて運動もできるんで、男女問わずみんなにモテモテっすよ。たぶん校内の男子はほとんどが告白してるんじゃないっすかね?」
「どうして紗奈は付き合わないんだろう」
「おにーさんが居るからじゃないっすか?」
「俺の世話で忙しいから付き合えないんだな...俺のせいで紗奈の楽しみを奪ってるのかもしれない...」
部屋のこともそうだが紗奈には無理をさせているんだろう。
「いやいやそうじゃなく...このおにーさんじゃあ紗奈ちゃんも苦労するっすね...」
「やっぱりそう思う?」
「おにーさんがニブチン過ぎて紗奈ちゃんが可哀想って思うっす」
たまに話が噛み合ってない気がするんだけど。
「そろそろ戻るっすね。おにーさんと仲良くなれて良かったっす。今度はアニメの話でもするっすよー」
そう言って部屋を出ていった。
紗奈は逃げてる俺の分もよく頑張ってくれてる。
...罪悪感凄いなー。
はっ、いかんいかん。
「家族に遠慮して引きニートやってられるかってんだ」
そう言うと頭をブンブンと振ってからパソコンの画面に目を戻す。
すると画面がメモ画面になっていて、その画面にメールアドレスが入力されていた。
「...いつの間に打ったんだ?あいつマジでただ者じゃないんだけど...」
俺はとりあえずそのメールアドレスをパソコンに登録し、画面を消した。
「...寝よ」
そのまま布団に潜り眠りについた。
遅い更新で申し訳ない