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妹日の積み重ね  作者: 緑の巨人
3/12

サインと握手と神ボイス

新キャラ登場!

「そんな馬鹿な!!」


なんやかんやあった昨日だったがそんなの関係ねぇ。


今日も今日とてネットサーフィンしていた俺だったが、そこでとある記事を見つけた。


この近くで俺の推し声優、星乃光莉(ほしの ひかり)のサイン会があるらしい。


めちゃくちゃ近い本屋に来ているのである。


そりゃ普通なら電車とかで追っかけとか無理なファンでも、目と鼻の先に居るとなれば会いたくもなる。


こうして妹が居ないのを良いことに戦場に向かうことに決めた。


「待っててね!光莉ちゃん!」


急いで着替えると財布を持って家を飛び出す。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!目がぁっ目がぁぁぁぁぁ!!」


長く引き籠り生活を送っていた俺の目を忌々しい春の太陽光線が貫いた。


「世界はこんなに眩しかったのか...もうこの世界では生きていけないな...」


そんな独り言を呟きながらゆっくりと目的の本屋に歩みを進めた。


なんとか辿り着いた時には瀕死状態だったが、店内アナウンスでサイン会のお知らせを聞いて甦った。


「只今星乃光莉さんのサイン会を行っています。今日発売の写真集[スター☆ライトニング]を購入していただいた方にはもれなく星乃光莉さんと握手ができます!」


光莉ちゃんと握手だとぅ!?


これを逃すわけにはいかないと必死になって本を探した。


すると目立つようにプラカードなどで装飾されたコーナーに人だかりができているのが見えた。


「これは無理かなぁ...」


諦め掛けてその場を離れようとした時だった。


人の波が押し寄せて来るではないか。


「どぅわぁぁぁぁ!」


元々凄かった人だかりに更に人が集まり揉みくちゃにされ流されていく。


(もうどうにでもなれ...)


そう思って流れに身を任せていると何故か先頭に来た。


本を手にとって流れに流されていくと運良くレジまで来れた。


本を買ってレシートを貰いサイン会の列に並んだ。


もうこの時点でテンションMAXだった。


なんだか運が良すぎて死ぬんじゃないかと思ったくらいだ。


そうこうしてやっと順番がまわってきた!


軽くお辞儀して本を渡す。


「お名前はどうしますか?」


とてつもない衝撃が走る。


推し声優の生ボイスに感動で涙が出そうだった。


「神城祐也でお願いします!あっこういう字です」


前もって漢字を紙に書いておいたのだ。


「神城祐也さんですね。近くに住んでるんですか?」


「そうなんですよ!サイン会やってるってネットで見つけて...あの!いつも応援してます!」


どうしてファンが一方的に喋るのが多いのかなんとなく分かった。


聞くのも上手だし話を引き出してくれる。


それに自分のことを知って欲しいという気持ちが強いのだ。


◯◯買いましたとか△△行きましたみたいなアピールで覚えて貰おうというのは浅はかだと思う。


「かみしろゆうや...こんな感じでいいですか?」


スラスラとサインを書いて本を渡してくれた。


彼女の名前に星のマークを上手く取り入れた可愛らしいサインが書かれている。


「ありがとうございます!」


「いえいえ。これからも応援してくださいね?」


そう言って握手をしてくれた。


手が汗ばんでないかなとか気になったけどなんか凄い嬉しかった!


という小学生レベルの感想しか言えない自分が腹立たしい。


帰るときも手を振って見送ってくれた。


(この手は洗うまで大切にしよう)


ルンルン気分で俺は家に帰るのだった。


────────


「また会おうね。神城祐也くん」

個人情報めっちゃ流出してるよね。

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