雲泥の差
特になし!
結局その日は何も言わず部屋に戻って寝た。
次の日の昼頃に腹が減って目を覚ました。
「家の中でも散歩するか」
昨日のことも気になるので部屋を出ることにした。
部屋の前に置いてあったラップがしてある朝食のサンドイッチを手に取り、それを食べながら家中を見て回った。
風呂場、リビングは綺麗に片付いている。
リビングから見えるダイニングキッチンを見てみるとシンクには洗い物はなく、皿洗いも終わって片付けられている。
「我が妹の手際の良さはお嫁に出せるレベルだな」
まあ兄がポンコツなのだから仕方ないのかもしれない。
一階は階段横の両親の部屋を除いて終わった。
その部屋は鍵が掛かっていて入れなかったので諦め、二階の妹の部屋に行くことにした。
「思春期の妹の部屋に勝手に入るのは罪悪感凄いな...まぁ、いつも俺の部屋にアイツは入ってるんだしいいよね」
そう言ってゆっくり部屋のドアを開けた。
幸いにも鍵は掛かっていなかった。
「お邪魔しまーす...うぉ!?」
なんかいい匂いがする!
男臭い俺の部屋とは違う女の子らしい香りが部屋中に広がっている。
同じ家なのにこうも違うとは...
「見渡す限り変なものも無いし、タンスとか勝手に開けんのも良くないだろうからこれくらいにしておこう...ん?」
探索を止めようとした時、ふと机の上の写真が目に入った。
俺と俺の親父、紗奈とその母親が写っていた。
そういえばここに引っ越した時にみんなで写真撮ったんだっけ。
「そういえばアイツ...こんな顔だったっけ...」
黒くて長い髪で目がパッチリしてて、なんだか人形みたいだなって思った。
写真を置いて部屋を見渡す。
部屋には余計な物がない。
タンスとベッドと机と椅子。
時計と写真。
他のものは見当たらない。
ベッドの横に携帯の充電器こそあるものの、雑誌やゲームなどの娯楽はなにもなかった。
(俺とは違ってちゃんと前を向いてる)
俺は逃げるように自分の部屋に戻って布団に潜った。
「自分がこんなに弱いなんて考えたことなかった...」
自分の弱さに嘆き、悲しみ、怒り、無力感、様々な感情の波に揺られ、気がつけば深い眠りについていた。
こんなふうに悩む人は少なくないですよね
自分もたまにあります