4話 モブキャラ『高橋』
ステータスを鑑定すると言うことでみんなはワーワーはしゃぎながら並んで行った
「あ!!そういえば!」
昨日のガチャに後日お届けしますって書いてあった気がする!まぁいいか。とりあえずみんなのステータスを盗み聞きしていたら1人きになる人がいた。一人だけずば抜けて弱かった。モブキャラの高橋だ。
「これがタカハシさんのステータスです。まぁ他の勇者さん方と比べればアレですけど、この世界の人々と比べればすごいですよ。」以下にもプロです感がハンパない男がしゃべっている。モブの高橋はそのままどっかへ行ってしまった。
やがて俺の番がやってきた。男に言われた通り、この『鑑定石』とやらに右手をかざすと、男の持っている白紙に字が浮かび上がる。
ーーー
名前 イトウ レン
種族 ハイ・ヒューマン
レベル1
HP 450
魔力 800
称号 勇者
スキル
ーーー
「え、あスキル無しですか…HPと魔力の合計も一般的な勇者なら1500くらいはあるんですけど…ま、まぁそれでもこの世界の人々と比べれば数十倍はありますよ…」
「あぁ、慰めありがとうございます」
多分歳上だろうだから敬語だ。まぁ周りからの視線が痛いので俺も端っこへ行く、すると高橋が話してきた
「おい、レン…だったか?」
「そうだよ」
こいつ!人の名をうろ覚えとは!…あれ?高橋の下の名前ってなんだっけ?
「いや、こっちでは『ラクセル』だったか?」
…何行ってんだこいつ?
「まぁどちらにしよ、そこまで隠蔽すると逆に怪しまれるぞ。」
「隠蔽?なんのことだ?」
「ふっ、俺の鑑定に映らないのは『消滅のラクセル』しかいないよ」
…やばい、こいつ厨二病か?!
「ラクセルってだれだよ!」
「それで押し切るか…まぁ俺に敵対しない限り俺も手を出さないよ。俺をあの時の俺だと舐めるなよ。ラクセルが遊んでる間も俺は日々進化しているんだ。君と違ってな。君が懸命な判断ができることを祈っているよ。」
そう言って高橋は去って行った。
…まじでなんのことだ?
「どーしたのーレーン?高橋にでぃすられたのー?」
「いや、なんでもないよリク」
「それでは皆さん!鑑定もできたので皆さんのスキルに合う武器や防具を用意するので、レベルを上げてください。」
姫が頑張って声を上げている。かわいい。
「でもーレベルってーどうやって上げるんですかー?」
おぉ流石リク、俺も聞きたかったことだ。
「この国は3つの迷宮を管理しています。そのうちの1つを貸し切っておりますので、レベルを上げてください。」
かわいい。
「迷宮ってなんですかー?」
流石だな、リクそれも聞きたかったことだ。
「あぁ、言ってませんでしたっけ?迷宮には、魔物と呼ばれる奴らがいるんですよ。魔物達を狩れば、いずれレベルが上がります。スキルに関しては使えば使うほどレベルが上がって行きます。」
そういえば俺のスキルはいつ来るのだろう?
「それでは皆さん頑張って下さい。」
☆☆☆
姫さんと思われる可愛い子に少し交渉をして、王宮の図書館に入る許可を頂いた。ついでにスキルがなかったのを同情された。なんだこの感じは?言いたい。本当はスキルありますよって言いたい。けど、リクに秘密にしとけって言われた…とか考えていると、俺の前を歩くメイドに声をかけられた。
「着きました。ここが図書館です。」
…やばいじゃん。広すぎるよ!どうやって管理してるんだよって思うくらいの本がそこにはあった。