21話 友を守るために...
「これで、終わりだ。『火球』」
勇者の手から放たれた魔法はレンへと着弾する前に真っ二つに切り裂かれた
「ん?なんだ!?」
「僕の剣は魔法さえをも斬る」
リクがレンの前へと進み出た。
「やめろ!リク!お前がどうにかできる相手じゃない!」
「じゃぁ、レンは僕に友達が殺されるのを黙って見てろと?無理だね僕には」
「まためんどくさいのが...くそ『氷結弾』『雷撃』『火球』!」
勇者からいくつもの魔法が放たれる。
「灼熱の業火よ我が剣に宿りたまえ『魔法剣』!」
途端にリクの手にもたれていた感が赤く神々しい光を放ち、まるで燃え上がっているかのように見えた。
その剣でリクは全ての魔法を切り裂いた。
「くそがぁ!『氷結弾』『雷撃』『火球』
『強制転移』!」
「リク!逃げてくれぇ!」
リクは次々と放たれる数多くの魔法を切り裂いていく。
「大丈夫だ。さっきも言っただろう。僕の剣は魔法を斬る!」
最後の魔法を叩き斬ろうとした寸前、リクは嫌な予感がした。
「なんだ!」
リクは自分の直感に従い、剣から手を離し一歩下がる。一瞬空中に投げ出された剣に勇者の最後の魔法が直撃する。
ピカァァァァァンッ!
まばゆい光を発したリクの剣は光が収まると同時に消えていた。
「なんだと!」
「カンのいいやつだ!だが!その余裕もいつまで持つかな!『強制転移』」
「く、『鑑定』」
リクは飛来中の紫色に輝く光球を上半身を倒すことにより避け、鑑定を使った。
「転移魔法だと!」
着弾点にあった絵画が光り輝き消えた。
「少し、オーバーキルかもしれんが許してくれ!
『氷結弾』『雷撃』『火球』『強制転移』!」
四つの光球ぐそれぞれの別の色の光を放ち、リクへ向かって飛んで行く。
「リクッッ!避けろっ!」
リクがらしくない笑みを浮かべる。
「ははっ。僕の勝ちだ。」
最初に飛んできた水色の光球がリクの右腕に当たる。
パキィィィンッ!
リクの上体が氷漬けとなる。
続いて、同じ軌道を描いてきた黄色の光球が飛んでくるが、リクは両手を前に出す。
ズドォォォン!
リクの両手が黒く焦げ、煙が立つ。
「リクゥゥゥゥゥゥゥッッ!」
続いて、三つ目の赤色の光球がリクの凍った腹部に直撃する。
ボォォォォォウッッ!
リクの腹部に大きな風穴が開き、上体を覆っていた氷が完全に溶ける。
四つ目に飛んできた紫色の光球がリクの腹の風穴を通り抜け、背後にいるレンへと直撃した。
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