2話 スキル『10連ガチャ』
「ここがレン様のお部屋になります。」
「あぁわかった。にしても豪華だなぁ〜」
煌びやかすぎるだろというぐらいの照明。ふっっっっっかふかなベット。壁にかかってるよくわからない絵。王宮とかにしかなさそうなカーペット。何もかもが高そうだ
「それは当たり前です。王宮内なので。」
……王宮か…あながち間違いでもなかったな。
「ここまで道案内ありがとう。あとは一人にさせてくれ。」
「はい。わかりました。また明日起こしにきます。おやすみなさいませ」
ガチャン。ドアが閉まる音がした。
「はぁー。テンプレだなぁ。」
1人になり警戒心をなくし俺はいつものように独り言を呟く。
「にしても、ここまでテンプレならもしかして……」
はたから見たら完璧に変人だ。
「ステータス、オープン」
そう呟くと同時に俺の目の前に半透明の、文字や数字が書かれた板のようなものが浮かび出た。そこにはこう書かれている。
ーーー
名前 イトウ レン
種族 ハイ・ヒューマン
レベル1
HP 450
魔力 800
称号 勇者
スキル
『スキル・道具ガチャ』10連分
ーーー
「ガチャ?なんだこれは?」
スキルや魔力があるのは予想内だが、スキルがガチャなのは予想外だ。正直言ってもっとテンプレなものが来ると思っていた。
「どうやってガチャるんだろう?」
そう言った途端目の前の半透明の板にコマンドが出た。
『10連スキル・道具ガチャを引きますか?
YES NO』
「おぉ」
俺はソシャゲの配布系ガチャはすぐ引くタイプだ。
「とりあえず引いて見るか」
俺はYESと書いてあるところをタップした。
半透明の板に何か光る丸い10個ものがくるくる回っている。1つタップしてみた。
『スキル:上級創造魔法(道具) を手に入れた』
と表示される。面白くなってきたので残りの9個もタップした。
『スキル:隠蔽 を手に入れた』
『道具:神の魔力強化薬EX を手に入れた』
『スキル:上級光属性魔法 を手に入れた』
『スキル:上級闇属性魔法 を手に入れた』
『スキル:無属性魔法 を手に入れた』
『道具:無名の魔剣』
『スキル:初級水属性魔法』
『道具:マジックポーチ(無限)』
『スキル:魔力変換』
見た感じなかなかのチートな気がするな、これで俺も無双できるのだろうか?とか思ってたら半透明の板に字が浮き出た。
『ガチャの報酬のスキルや道具は持ち主の体に合わせたり、用意したりするのに少し時間がかかるので少々お待ちください。以後24時間以内にお届けします。』
「まじか、今日から無双ってわけじゃないのか。」
とりあえずやることもなくなった。そう思うと同時にとてつもない睡魔が襲って来た。俺は30分しか睡眠をとってない昨日の自分を恨みつつ、目を閉じた。
☆☆☆
日も暮れた夜遅く。王の間にはたった3人しかいなかった。うち1人は口をこうとする気配がない。
玉座に座りし者が口を開く。
「よくやった。あの混乱した状態で魔法をかけられたんだ。そう簡単には解けないだろう。」
「ここまでは大したことありませんお父様。問題はここからです。」
「そうだな。あと二日いや、あれだけいれば三日くらいか…」
「はい。おそらく。今回は全員仕留めたいですね。」
玉座に対面する派手なドレスを着た美女は汚い笑みを浮かべる。ただ1人無言を貫いている、美青年の首元に魔法陣が浮かび上がり禍々しい光を放った。