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19話 若き勇者 VS 古き勇者
「ぐはっっ!」
殴られた衝撃で剣を手放してしまったレンは軽く数メートル吹き飛ぶ。そのまま壁に叩きつけられ、めり込んだ。
「戦士にとって剣を手放すことは敗北を意味する、いくら勇者と言えども武器を失えばただの人間だ。お前はそれを理解していない。経験が足りず、力に自惚れたな。死ね!」
勇者は剣を高く振り上げる。
「そう簡単に死んでたまるか!くらえ!『魔力砲』!」
ドォン!
レンの手から打ち出された中位の無属性魔法は勇者にあたると同時にかき消えた。
「私に、」
『魔力砲』
ドォン!
「私に魔、」
『魔力砲』
ドォン!
「魔法は効か、」
『魔力砲』
ドォン!
「煩わしい!まずその他から切り落としてやろう!」
勇者の高く振り上げられていた剣がレンの右手に向けて振り下ろされる。
レンがニヤッと笑う。
「剣がなくても俺は魔法が使えるんだ。」
振り下ろされた剣がレンの右手にあたる直前、剣とレンの手の間にビンが現れた。
勇者は身を引こうとするがもう遅い。勇者の剛力で振り下ろされた剣はビンに直撃し、ビンを叩き割った。
ドォォォン!!
2人は大きな爆発に包まれた。