15話 スキル『勇者』
称号『勇者』[伝説級]
ー説明ー
世界にたった1人存在することの許された勇敢なる者。あらゆるステータスを増加し、『魔王』『邪竜』を含む[伝説級]の称号を持つ者を倒した時そのステータスの一部を引き継ぐ。
ーーー
リクはレンほどでもないが頭が良かった。だからこの称号にもの持つ真の意味を分かってしまった。
自身も伝説級の称号でありながら伝説級の称号持ちを倒すと自らの力にできるだと!
そんな...
勇者同士で殺しあえとでも言ってるのか!?
...たった一人しか存在することの許されない者とはそういうことなのか!?
...それに!あいつは確かこう言ってたはずだ
『目に見えて強くなる実感があるというのは楽しものだ』
ま、まさか!あいつもなのか!?
あいつも勇者なのか!?
やばい!やばいぞ!召喚された勇者たち...クラスメイト達が、皆殺しにされる!
どうする?今の僕に何ができる?
リクは悩んだ末に答えを出した。
「チートなレンならなんとかしてくれるかもしれない!」
リクは全力で来た道を駆け出した。
☆☆☆
男の無造作に振るわれた剣が勇者と呼ばれる者の足を薙ぐ。
「痛いぃぃぃぃっっ...やめろ、やめてくれぇぇ!」
勇者と呼ばれる者は醜く泣け叫ぶ。
男の後ろにいる、煌びやかな老年がその威厳溢れる口を開ける。
「うるさい。殺せ。」
男の意識とは関係なくその手に握られた剣は無慈悲にも勇者に振り下ろされる。
「あと10人くらいだ。今回は誰一人逃すなよ」
男は自らの意思を無視して勝手に歩き始める自分の体に憎しみを感じていた。
そして男は思い出した。
先ほど窓から覗いていた勇者を。
「...いつまで経っても俺は臆病だ...チートな少年とその友よ、きみらだけでも逃げ延びてくれ...そして、いつかこの国を、いやこの世界を救ってくれ」