俺思い出す。
「試練んたってよ・・・神様、何が目的だよ!」
「貴方を試す・・・いや、貴方を鍛え無くてはいけなくなりました」
「地球が再構築されてしまったのです」
「はぁ!?」
遥は目の前の怪物の猛攻を避けながら神の話に耳を傾ける。
「何物かが地球の創世神の座を下り、それによる破壊、そして新たな創世神が
生まれた事で地球の再構築が成されました」
「よくわかんねーけど、俺が何をすれば言い訳?」
妄想!!
遥がそう叫ぶと、彼の肉体は強化され、怪物にパンチを食らわせる。
しかし、怪物はびくともせず、遥にカウンターを当てる。
いくら能力によって頑強に体躯にしていようとも、その攻撃を直撃すればひとたまりも無かった。
「くっ・・・・・・」
「遥さん、貴方がラノベに文句を言う、つまり何かをより良くしようと想像する力が
クリエイトの能力を高めるのです」
「俺の考え方を正当化しすぎだな・・・つまり、何が言いたいんだ?」
「貴方は・・・私に使える天使になって貰います!」
「ふーん、つまりっ・・・!俺が強くなれば天使になって、地球の様子見に使うってか?」
神は図星という表情を見せた。
「良く分かったな、なんて顔だな。」
「良いよ。神様は可愛いからキューピーにでもなってみせるさ」
遥はニカッと笑って見せた。
「・・・・・・じゃぁ、まず・・・俺にはっ!」
向かい来る怪物に遥は拳を向け、身構えた。そして、こちらとの間合いを詰めたその時、
打ち出す!
「妹がいなぁぁぁぁい!」
「"頑張ってよね、バカ兄貴"なんて言う妹がいない!」
怪物に向かって怒りの連撃を放った。その一発一発が重く、怪物も防ぎきれない。
「幼馴染みがいなぁぁぁぁい!」
「いないいないいなぁぁぁぁい!」
今度は連続で蹴りを放つ。怪物もダメージが蓄積し、疲弊している。
「なにゆえっ!ラノベ主人公はっ!優遇されるん・・・・・・」
遥は大きく跳躍して、怪物の真上に到達すると、一気に拳を振りかぶって
怪物へ向けた。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その拳は怪物の頭部へ直撃し、爆発した。
「・・・ふぅ、ストレス発散」
遥は一息つくと、神の顔を見た。
「こんな煩悩まみれの天使でも使役してくれるか?」
「・・・ええ」