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異世界転生に物申す!  作者: テンペスティア
6/15

俺騎士団に入る。

 「貴様の様な愚民に負けてたまるか」


 リシアという少年は、遥を見て嘲笑する。


 「おいアンタ、仮にも町の平和を守る騎士だろ!愚民はないだろ!」


 遥は彼の高飛車な言動に流石に頭に来ていた。


 「おまい、さっきから上司にもその態度か。何よりもお前が腐敗しきってるぜ!」


 最強の騎士に向かってその態度か、等と周りの騎士はやじを飛ばす。

 しかし、リシアは冷静だった。何故ならー


 「その甲冑を動かしてから物は申すのだな」


 「う・・・・・・」


 鎧を装備したリシアと平等に闘うため、遥も甲冑を装着させられた。

 しかし、その重さ故、遥は動かせないでいた。


 「とか言われてるが流石に本気出すか。妄想(クリエイト)!」


 遥の叫びによってその重みは無くなっていく。

 試しに肩を回し、適当にステップを踏んだ。


 「よっ、と。最早空飛べそうな位軽いな」


 「な・・・・・・いきなり、動き出したぞ!」


 その姿には場にいた全員が驚愕した。


 「よし、準備は整ったな。組み手を開始する」


 二人は所定の位置につき、睨み合った。

 騎士が合図の為、手を上げる。


 「始め!」


 その手が降り下ろされた直後、遥の目の前にリシアが迫っていた。


 「はやっ!」


 「貰った・・・何!?」


 「体が動かない!」


 突然、リシアの体がピクリとも動かなくなった。

 

 「お前に、いや、ここにいる全員に、聞きたい事がある」


 「さっきスカウトした人はいるか?」


 「ああ、ここにいる。デシウスだ」


 遥はデシウスに迫り、質問する。


 「デシウス、アンタは町の表は平和だからこいつらも動く事も無いと

 言ったか」


 「しかしい実際はゴロツキがうようよしている」


 「それは裏の社会だから・・・」


 「町に表も裏もあるか!町の人々の事を考えろ!そうやってボーダーを決めて

 ここだから助けるだとか助けないとかやってるから腐敗したって言うんだろ!」


 「俺は、ここに来たばかりだが、良くしてくれた、マリーさんとジャンさんが

 平和に暮らせる町にしたいんだ!」


 遥の叫びは、生前出来なかった事を求める様だった。


 

 恩返しー



 「・・・私の負けだ」


 リシアが呟く。それと同時に体の自由も戻った。


 「貴様、名は」


 「荻、遥だ」


 リシアは頭を下げた。


 「すまなかった、オギ。貴様には、恐らく誰も勝てまい」


 「この騎士の名を受け取った日の正義感を誰もが失って、

 いつの間にか悪を見てみぬふりをしていたのだな」


 「お、お前も、やるじゃん?つか、良いよ、遥で。うん」


 「何?すると名字だが」


 「いいや、俺がいたところでは、そっちが名前だ」


 「そう、なのか。ところで、さっき、ジャンという名前を出したな」


 「ああ、こっちに来て身寄りの無い俺の面倒を見てくれた逞しい・・・」


 「あ!」


 遥とリシアが同時に叫ぶ。


 「こんなところで油売ってる場合じゃねぇ、帰んなきゃ!」


 「その器量、団長!?」


 「マジかよ!!」


 二人の慌てふためいている姿を見た神は溜め息をつく。


 「まったく・・・リシアという方もその殻を破れば遥とあんまり変わりませんね」



 

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