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異世界転生に物申す!  作者: テンペスティア
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俺は最後に物申す!

 突然だが、最終回というのに俺、荻遥が何故モノローグにふけっている。

 いや、ここではストーリーテラーと言った方が良いだろうか。


 兎角、俺の中でライトノベル、つまり君達が書店手にするそれについての話だ。


 ライトノベル通称ラノベに対する疑問や怒り、悲しみは数年の月日を重ねた今も、

 幸せな家庭を築いたとしても変わり得なかった。


 まあでも、この所詮素人の趣味に過ぎない駄文の塊に目を付けた

 読者諸君は前回からの展開に目が行き、「前書きにして本編始めろ」

 等と文句を言うだろうがそれもラノベの欠点という事を覚えていて欲しい。


 では「俺翼が生える。」からの続きを語ろう。別に打ち切りエンドでは無いから

 安心しろスパイクよ。




 あの日、俺はその翼で世界を越えて大好きな人に会いに行った。


 閃光が眩く照り、その光が視界全体に広がると数年ぶりに

 訪れた懐かしい光景が見えた。


 バチイの都。


 あの時、神様が落とした俺の反省する世界。

 結局反省が出来たか知らないがここでの新鮮な暮らしが俺を変えた。


 俺の力が、偶然なのか必然なのか知らないが、

 誉められ、喜ばれ、称えられ、俺が失ってた自信や正義が戻ってきた

 気がした。


 偽善に近い事だったかもしれない。見ず知らずの人を助けて優越感に

 浸っていたら、騎士団にスカウトか・・・今でも入りたいとは思わないが、

 変わっているだろうか。



 その地に降り立つと、まず自分が世話になった民家を探した。


 街もその姿を少し変えながらも俺がいた頃の面影も少し残っていた。


 煉瓦の敷かれた地面、馬車の走る音、市場に集まる人々。


 バチイ、何もかも懐かしい。


 俺が感傷に浸っていると後ろから声を掛けられた。



 そこには、成長したマリーの姿があった。

 彼女は俺の事を良く覚えていて会うのを心待ちにしていたそうで

 こちらも声を掛けようなんて考えが浮かぶ頃には俺の腕は彼女を抱いていた。

 せっかちだと思うぞ、右腕。


 彼女と共に家へ、帰ってきた。

 そこにはお兄さんの姿もあり、今の騎士団の話を聞けた。


 あのスピーチに感化されたお兄さん達は本当に正の志を持つ男を集め、


 街の経済の発展や少年達の更正等、種を選ばず街に可能な限り尽力し、


 王から褒め称えられ、王族に使える者も表れた。


 一方お兄さんはマリーと共に俺の帰りを待つためこの場に残ったが、


 騎士団の団長はやめたそうだ。

 お兄さんはその座に俺を座らせる魂胆だったのかもしれないが

 俺自信団長なんて格好いいのはネトゲに留めたいと思っているから、

 もっと良い騎士を紹介した。


 アイツは、高圧的な野郎だったが、陰りを見せた正義の志を取り戻した。


 きっとアイツならやってくれるとお兄さんに相談したら、快く了解してくれた。

 そうすると、お兄さんはリシア当てに手紙を届けた。

 英雄は、俺なんかじゃなくて良い。英雄は、きっと最初から光を

 持っている者で良いんだ。


 

 新たな騎士団長が決まり、お兄さんは元より、マリーにも余裕が出来た。

 俺は今の内に彼女に一生寄り添う事を誓おうと思った。


 日を置いて、彼女に話を持ち出した。


 しかし、肝心な時に俺は言葉が出なかった。

 ずっとモゴモゴ言っている俺の気持ちを察してくれた彼女は洗っていた皿を置き、


 弱い俺に変わってその言葉を口にした。

 その梅干しを2つ並べた様な光景をお兄さんが見ていたのは

 吉か凶か分からないな。


 結婚式はエーカム城で執り行った。

 マリーの晴れ姿は正直可愛かった。


 彼女との幸せな暮らしはその日から始まった。

 勿論今もその生活を続けている。


 しかし、その暮らしでこの物語の幕を閉じてしまって良いのだろうか?


 俺は幸せかもしれない。

 だが、それで君達は満足するか?


 そんな事は無いと言うと俺は思っている。



 だからだ。自分のラノベに対する憎しみを・・・・・・





 いや、その思いは、捨て去ろう。

 あの日悲しみに暮れていても未来の俺がそれを払拭出来た。


 あの時、神様が選んでくれた道筋は、地獄だと思っていた。

 生きていても地獄、死んでも地獄。

 

 そう思っていたのにな・・・



 やっぱあの神様には敵わねぇな。神様もラノベファンの一人だったしなぁ。

 こう言う俺の考えも筒抜けかもな。


 俺を変えたのは神様だけじゃない。

 マリー、

 お兄さん、

 リシア、

 父さん、

 母さん、


 そして、俺と・・・



 最後にタイトル通り物申させて貰うぜ・・・・・・


 この物語を見てくれたおまいら、ありがとうな・・・・・・!


 

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