俺翼が生える。
「・・・・・・っと、どこかで見た光景だな」
そこは、以前遥が死んだ際、訪れた死後の世界だった。
辺りを見回していると、神がこちらへ向かって来た。
「あっ、ルカファールさん、すみませんでした!こちらへ来るには死なないといけないと
言う事を言い忘れていました!」
「そうだったのか・・・ってなんだよその名前!どうせ天使になった俺の新しい名前だろ?
そんな小生意気な展開ラノベでもねぇよ!そっちの方へヘイトが溜まるわ!」
「ごめんなさい・・・・・・」
遥と神の逆転した客観的な立場に痺れを切らして大天上神、朱鷺人が降臨した。
「遥、いやルカファール。一応彼女も上司なんだから。部長は社長に頭が上がりますかって
上がらないよね」
朱鷺人の適格な指摘に遥も反省した。
「兎も角、ルカファール。君は行きたい所があるんだろう?」
「そんな勿体ぶった言い方しなくて良いですよ。俺はマリー、お兄さん、
みんなの所へ・・・!!」
朱鷺人はゆっくりと頷くと、両手を天に掲げる。
すると、遥の体は浮き、翼が生えた。
「うわっ!翼が生えた!天津先輩、これあっちの世界で取れますよね?」
「うん。心配無い。よし!今あっちの世界への扉が開いた。君はその翼で
扉を越えろ!きっと君が掴んだ希望が待っている!」
「ありがとう!神様、天津先輩!」
遥が両者に手を振ると、そのまま飛び立った。