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異世界転生に物申す!  作者: テンペスティア
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俺天に召される。

 彼はある日、異世界に転生した。



 彼は今日もネットサーフィンに明け暮れ、

 深夜アニメを腐る程視聴し、草木がいびきを立てる程

 のウシミツアワー、コンビニに出掛ける。


 良くあるラノベ主人公みたいな彼の概要を説明する。



 荻 遥(おぎ はるか) 十六歳。

 親も呆れる引きこもり。

 ラノベに偏見を抱くがそっとしておいて欲しい。


 そんな彼がコンビニから帰る時、



 突如として車に轢かれた。

 すぐに病院に運ばれ、出来る限りの処置を施したものの、

 遥の心臓の鼓動は止まったままだった。

 遥の姿を見た母親は彼にそっと寄り添い、言葉を掛ける。


 「ねえ、遥・・・あなたはいつもお母さんとお父さんを困らせてた

 けれど、私達は、あなたの事を、ずっと、見守っていたのよ・・・」


 「だから、お願い。返事して。いつものように、うるさいババアって

 言ってよ!遥!!」


 





 「・・・・・・ここは、何処だ?」


 頭を押さえながら遥が周りを見渡すと、

 そこは完全な闇が広がっていた。

 いつの間にこんな場所に自分がいるのか。

 

 不安になった遥は誰かが居る事に期待し、叫んだ。


 「おい!誰か居るのか!?返事してくれ!」


 「・・・貴方は、死んだのです」


 遥の問いに答える様に少女の声が聞こえた。その声と同時に辺りを光が照らした。


 「うおっまぶし・・・って、あんたは、一体?」


 「私は神。荻遥さん、貴方はトラックに轢かれ死んでしまったので地獄か異世界に

 転生して頂きます」


 神と名乗った美少女の言葉に遥は疑問を抱いた。


 「んで、べっぴんな女神さんよぉ、此処が死後の世界っていうのは

 読める。しかし、何で俺は地獄か異世界に行かなくちゃいけないんだよ?」


 「それは貴方が現世で良い行いをしなかったから地獄へ堕ちるのです。

 一方、異世界は・・・私の趣味です」


 「趣味って何だよ!ラノベか!?オイ!」


 一連の状況に錯乱した遥は大声で怒鳴り散らした。

 が、神は照れくさそうに話を続けた。


 「地獄への転生が決まった人は地獄の他にも自分が反省出来る場所を

 作ろうと私の上司、大天上神様がお決めになられました」


 「大天上神様は私がその場所を決めて良いとおっしゃったので、

 ラノベっぽい異世界にしました。エヘヘ」


 「エヘヘ、ってラノベ知ってんの神様は」


 「はい、貴方と同じ人々から聞きました。それを聞いたら面白くて面白くて」


 「それで、遥さんはラノベを知っているのですか?」


 「あまり呼んだ事は無いけどな。でも、あれは酷い!」


 「え?」


 「美少女出せば良いってもんじゃないだろ、文章だってぐちゃぐちゃだし、

 同じ物しか書けねーのかってんだよ、あーもうふざけんなぁ!」


 遥はラノベに対する偏見でしかないヘイトを口にする。

 しかし、その言葉はラノベ好きの神の逆鱗に触れた。



 「・・・・・・分かりました。貴方は地獄よりも異世界へ行った方が良いですね」


 「荻遥、貴方は異世界に行きなさい!」


 神が叫ぶと、遥の下の床が開いた。


 「え?」




 「うわあああああああああ!落ちるううううううううううう!」




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