表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本皇国、日章旗を胸に  作者: 海空陸一体
形成期(明治~大正初期)
8/19

外伝三

アンケート。

前章の最終回は二つの終わり方があります。

見たい方は感想に、もう一つ方も見たいと、コメントをください。

数が百名を超えたら、外伝として出します。

よろしくお願いいたします。

時は少し遡り

9月27日

東京某所ある高級料亭

ここには、複数の海軍将校が集まっていた。

「「「乾杯ーー!!」」」

「いやはや、これで我が国も列強の仲間入りですな。」

「左様。陸軍が働いたお陰で我々海軍の仕事がやり易くなったものだ。」

「それに、鹵獲したロシア戦艦があれば、もう一つの六六艦隊が編成できると言うもの。」

「東郷閣下、様様でありますな!」

「「まったくだ!!」

ハハハハハハ!

海軍将校達の声が響き渡る。

しかし、彼らは決して前線に行ったわけでわない。

ただ海軍軍令部で、惰眠を過ごして来ただけだ。

無論、ただ惰眠を過ごすのではなく、前線の兵士達に為に、少しでも弾薬と食糧を輸送するため、山の様な書類を処理し、疲れ果てて惰眠を過ごすならばまだ良い。

だが彼らは、本当に何もせず、前線で戦う兵士達が必死になっている時も、この様に集まっては、官費を使い高級料亭で宴会をしていたのだ。

「ロシア戦艦群で二つ目の連合艦隊をするとなると、誰が長官ですかな」

「それはもちろん、中将でありますな。」

「ん、ワシがなって良いのか」

「無論です。しかし、その時は我々も参謀に....」

中将と呼ばれた、老人はニヤリとして

「分かってる、お主達とは仲が長く成りそうじゃからな」

「それでこそ、我らの中将閣下であります!」

「それに建造が進んでいる、香取型戦艦が就役すれば事実上、我ら帝国海軍は、アジア最強の海軍ですな。」

一人の海軍大佐が威勢のいいことを言う。

「...そう言えば、香取型に続く、薩摩型と河内型が大規模な設計変更したと言う噂を聞きましたな」

「まあ、あくまでも噂だ、そう気にするな、さあパアッと飲もう!」

一人の海軍少佐が海軍内で出回っている噂を口にしたが、同僚に酒を勧められ直ぐに忘れてしまった。

「失礼します。」

襖を開け入って来た女性店員が、大皿に乗った特大の魚の刺し身を持って来た。

「「「「「おおお!」」」」」

「女将からの差し上げ物です。どうぞ、ごゆっくり」

中将達は口元をニヤケせながら、

「そうか、では有り難く頂くとしよう」

「「「はい!」」」

たが、彼らは気がつかなかった、襖を閉じる寸前、女性の口元が微かに動いたのを。

女性はこう言っていた、不届き者達に鉄槌を。



10月3日

再び、彼らは集まっていた。

しかし、その顔は苦渋の色に染まっていた。

「一体これはどう言うことだ!!」

中将が彼らの前に叩き出した新聞の見出しには大きくこう書かれていた。

『政府は今戦争で獲得したロシア戦艦をブラジル、チリ、アルゼンチンに売却する予定と正式に発表せり。金額は不明。しかし、全七隻が売却がされる模様。』

一人の海軍大佐が、躊躇しがちに

「申し訳ありません。しかし、我々も新聞で知ったもので、詳細は未だに....」

「揃いも揃ってグズの集まりか!このバカ共!!」

中将の雷に全員黙り込んでしまう。

「....どうも御上のご決断らしいです」

海軍少佐が呟いた。

「それは本当か!?」

「はい、それも我々海軍だけでわなく、陸軍や外務省も説得した模様です。それだけはなく、海軍で噂の薩摩型と河内型の大幅な設計変更にも絡んでいる模様です」

全員が、沈黙してしまった。

彼らにとって不可侵な天皇の決断に文句が言える筈がなかった。


この次の日、多数の海軍将校が、戦費を横領したとして次々と拘束された。

主犯の中将は軍籍剥奪の上、軍収容所行きになった。

その他の海軍将校は二階級降格され、辺境地帯に左遷された。

しかし、唯一海軍少佐だけが、一階級降格で済んだ。

彼は海軍情報局に配属された。





「そうか。ご苦労だったな、廉太郎」

「いえ、これも殿下の為ならば。」

「それは、貴様の一族の復興を約束したからであろう?」

「......」

黙りか。

私は目の前に居る、二十歳代の男を見ながら思った。

彼は風魔廉太郎。

有名な風魔小次郎の直系の子孫に当たるらしい。

風魔衆は、北条家が豊臣に滅亡させられて以来、一族は散り散りになり、今では百名にも満たないらしい。

何故、風魔衆と伝が出来たかと言うと、打鉄に関わった職人の中に彼らと関係を持っていた者が居たのだ。

そいつは私が自由に動かせる手駒を探していることを、気がついたらしく、彼ら風魔衆を私に紹介した。

風魔衆達の生活は余りにも惨め過ぎたのも、私に推薦した理由らしい。

風魔廉太郎は私と最初に会った時、傍らに風魔の少女を連れて、頭を地に着けながら懇願した。

「どうか、我ら風魔衆の復興をお願い致します。証拠に私の妹を預けます」

これに、私は激怒した。罵倒もした。

私はかつて北条家が関東全域を制覇するを、闇から支え続けた風魔衆の実力を求めて、彼らを招き入れた。

それが、自分の妹を人質として預けるなど言われて怒りを押されることが出来なかった。

私は直ぐ様、打鉄を鞘から引き抜き、廉太郎の首元に突き詰えめた。

「私は日ノ本、天皇陛下の赤子たる臣民の為に命を捧げた身だ。ならば貴様ら風魔衆も私が守るべき存在。それを私一人では力が足りないから、その力を貸してくれと頼んでいる。それをこの様な形で応えようするのは、侮辱に等しい心えよ」

廉太郎は私の言葉に泣きながら

「では、妹を預けなくとも...」

「クドイ、私は貴様らの力が欲しいだけだ。二度とこの様なことをするでないわ」

打鉄を納めると、廉太郎は泣き叫びながら

「風魔衆は殿下にこの命を捧げます!」


それ以来、風魔一族は私に従っている。

彼らは実に働いた。

国内に入り込んだ、列強のスパイの処理や臣民の血税を横領するバカ共の内偵捜査。

拘束されたバカ共も、店員に変装した風魔の忍びに全て聞かれたことには気付かなかった。

さて、次は何をしようか。



殿下は考えられる姿を見ながらは自分は立っていた。

最初に殿下にお会いした時は恐ろしかった。

自分が最初に妹を人質として、差し出そうとしたら、殿下が自分の首元に刀を突き詰めていた。

見えなかった。生まれて始めて、相手の動作を見抜けなかった。

その後の殿下のお言葉に胸を打たれた。

この方こそが生来、自分が仕えるべき主だと。

たが、未だに信用されていない。

やはり、自分が妹を差し出そうとしたのがいけないなかったのだろう。

どうすれば信用いや、信頼して頂けるか。

我ら風魔衆は殿下の命に従うまで。

「しかし殿下、何故あの海軍少佐は左遷しなかったのですか。」

自分はどうしてもそれだけは疑問だった。

「なに。あの少佐は不確かな噂から真実を探り当てそうになった。それほどの洞察力と、情報収集能力。腐らせるには惜しすぎる。

それに、ロシア国内の不安定さを煽り、共産主義者の活動を誘発させた明石 元二郎大佐を中心に情報戦を専門にする組織を作るからな。そういう場所にはうってつけな人材だろう」

「確かに」

殿下はニヤリとしながらこちらを向いた。

「廉太郎、貴様には中国大陸に行ってもらう」

「中国ですか」

「そうだ。やってもらうのは事は............」



「承知しました。必ずや成し遂げて御覧入れます」

「うむ、時がくるまでは大人しくしている様に」

「御意」

殿下の赴くままに。

私はそう思いながら、影に潜んだ。




晩年、風魔廉太郎は一族の前にこう述べた。

「やっと、やっと殿下のところに参上することが、行くことが出来る」

彼は満足した様にそう語り静かに息を引き取った。

葬式には、彼の主のたった一人の血族が見舞いに来た。


風魔廉太郎、彼の功績は決して表に出ることはない。


ハア。

課題がキツイや。

今回も頑張って投稿したぞ!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ