表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本皇国、日章旗を胸に  作者: 海空陸一体
形成期(明治~大正初期)
7/19

第四話

成彦 1905年海軍大学校卒業


1906年陸軍大学校入学


1907年陸軍大学校卒業



約四年掛け、陸海軍両大学校を卒業する。

 ポーツマス条約により日本は以下の物を獲得した。

 1.満州にある、日本の権益の保証、ロシアの権益を譲渡により獲得。満州における日本の優位の確認。

 2.樺太全土の割譲、なお現地住民には、ロシア本土に戻るか、樺太に留まり、日本国籍を取得するか、自由に選択出来る。期限は来年、5月1日まで。

 3.現在日本が係留中の鹵獲艦を、正式に日本側に譲渡する。

 なお、希望すれば、返却を可とするもその場合はロシア側は返却金を出すこと。

 4.賠償金、金額は日本軍の戦費、四分の一とする。


 この中で、賠償金は日本、ロシア双方が譲らず。

 日本は国内世論に圧され、ロシアは共産主義者の活動により国内が不安定でもし譲ったら革命の可能性があるため、双方譲らず対立していた。

 しかし、賠償金の額を減らす代わりに、艦艇の返却金の増加で決着を見た。

 日本は戦艦以外の全ての艦艇を返却する。

 賠償金、返却金を合わせれば、日本が使用した戦費三分の一だったが、残る三分の二はどうするか、まだ決まってなかった。

 しかし、民衆は大国ロシアに打ち勝った喜びを、爆発させていた。

 新聞では日本の勝利を称える見出しが書かれ、財界では満州から得られる利益をさっそく調べる者、故郷に帰り英雄として迎えられる者と迎える者。

 だがその中には、二度と帰って来ない者達を弔う人達もいた。


 1905年9月21日 帝都  皇居内

 「終わったか...」

 成彦は明治天皇に謁見して以来、様々な事をした。

 三十年式小銃を改造し、三八式に準じた性能を持たせた。

 二十八式野砲や二十八糎野戦超重砲などの新兵器投入。

 そして、自分が持つ歴史情報。

 これにより、戦死者は本来の8万以上より少ない、4万5千人近くまでに抑え込んだ。

 しかし、戦費は史実とほぼ同額、20億円に上った。

 恐らく明治天皇はいかにこれを解決するか聞かれるだろう。

 だが、策はある、日本に外貨をもたらすだけではなく、友好国を得る方法が。

「成彦様。陛下がお呼びしております。」

 使いの者が来た、さあ行こう。



謁見の間

「参内ご苦労である。」

「は!珠洲ノ宮成彦海軍少尉、佐世保より参上しました。」

 明治天皇は、私の海軍制服を着た姿にしばしの間、目を細められた。

「立派になったな」と、自分の子供ように喜ばれた。

「ありがとうございます。陛下さっそくですが。」

「うむ。まずは佐世保での事故、大義であった。」

「いえ、事前に準備していた、お陰であります。」

 9月11日佐世保にて戦艦三笠が火災を起こし沈没しかけたのだ。

 この時、成彦は臨時に水兵達を指揮し火災を消火した。死者は50人で済んだ。

「東郷からも、感謝状が届いているぞ。」

「陛下、自分は軍人として当たり前の事をしたまでです。」

「そうか...して此度の戦争、勝利したが民に大きな負担を強いている。どうするつもりだ?」

「策はあります。しかしそれには陛下の力が必要です。」

陛下が先を促す。

「まず、此度の戦争で獲得した鹵獲艦ですが...........」



 私が考えた策略を聞かれた、明治天皇は苦笑いしながら

「確かに、私の力が無ければ出来ぬことだな。分かった朕が外務省と陸海軍双方を説得しよう」

「お願い致します。」

 私は深々と頭を下げた。




 10月1日日本政府は世界に向け驚きの発表した。

『大日本帝国は先の戦争で獲得した、ロシア戦艦七隻を、第三国に売却す。』

 この発表に食いついたのは、アルゼンチン、チリ、ブラジルの南米三国に加え、スペインとオスマン(トルコ)帝国だ。

 南米三国は自国の旧式艦艇に代わる、鹵獲艦とは言え列強の最新鋭艦を求め。

 スペインは米比戦争により失った、フィリピンを取り戻す戦力を、欲し。

 オスマン帝国は、ロシアが弱体化したと見て、黒海を奪還を狙い、海軍力の強化をするため。

 この中で、売却されたのは、南米三国のみで、スペインはアメリカとの関係を考え、オスマン帝国はロシア帝国との戦後の関係を考えた結果、売却されなかった。

 南米三国は自国に列強の最新鋭戦艦を手に入れた事を日本に感謝した。

 親日国家が、南米に出来た瞬間だった。

 日本はアメリカにて発生している、日本人迫害を考え、南米三国にアメリカに居る日本人の移住を要請。

 南米三国は快く承認した。

 これに、アメリカの日本人は次々と、南米三国に移住した。


 だが、誰が予想出来ただろうかあの様なことが起きるとは。

 世界のパワーバランスが崩れる原因になると。





1906年11月2日

 世界初のド級戦艦ドレッドノート就役

 大英帝国海軍が、国家の威信を掛けて建造した、世界最初の弩級戦艦。

 この日、全ての既存の戦艦群は、旧式艦の烙印を、押されるた。

 同時にドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、イタリア、ロシア、日本による海軍大増強が始まった。

 人はこれをこう呼ぶ。

『大建艦競争時代』と。



 戦争の火種は蒔かれ始めた。



今回でしばらく投稿が遅くなります。

応援ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ