第六話
大変申し訳ありません!
あと一話だけ待って下さい!
もう一話をやって!その次は絶対戦争の話です!
本当に申し訳ありません!
1909年10月22日瀬戸内海柱島
私は乗艦する戦艦薩摩で割り当てられた、自室で新聞を読んでいた。
その見出しには大きく朝鮮半島との関係を決める新たな条約ついて書かれていた。
『帝国政府、朝鮮と第三次日朝基本条約締結!朝鮮の併合はならず!?』
日本が朝鮮の併合を中止した事実が、見出しを踊っていた。
私が朝鮮の併合を辞めるよう進言した結果だった。
明治天皇は猛反発する、陸海軍のみならず、財界、政界を勅命で黙らせたのだ。
朝鮮に資本を注ぎ込むなら、本土の開発に台湾、満州のインフラ整備に邁進せよ。
明治天皇の言葉の真意を、素早く読み取った者達は、朝鮮から投資金を直ぐ様回収した。
彼らは回収した際、無駄金を出した。周りの空気に合わせただけだ。と一様に語った。
いくら資金を注ぎ込んでも、全く利益が出ない朝鮮の現状にうんざりしていたのだ。
それでも朝鮮の併合を叫ぶ者達がまだ居たが、それに冷や水を浴びせる事件が起きた。
元老、伊藤博文暗殺
朝鮮にて、現地を視察していた伊藤博文を安重根が射殺。
史実では、1910年に満州の奉天で暗殺されたが、こちらでは朝鮮首都漢城で暗殺された。
これに日本人全員が怒り、呆れ果てた。
どこに、自国にやって来た海外の重要人物が暗殺される事態になるのか。
朝鮮の近代化を唱えた中心人物である、伊藤博文がその朝鮮て暗殺される事態を受けて朝鮮併合を唱えた派閥は、周囲の無言の圧力に耐えられず、消滅した。
第三次日朝基本条約では、朝鮮は外交権と軍事力の放棄し、日本は朝鮮の防衛義務、内政干渉権の放棄が、条約の骨子だ。
日本は朝鮮防衛の名目に、満州、朝鮮の国境線を地雷の敷設、鉄条網の設置で封鎖。
朝鮮国内に駐屯していた、軍も内政不干渉の為に日本本土に引き揚げた。
対馬に陸軍一個連隊、海軍の小艦隊を配置。
密漁船や密入国船を厳しく取り締まった。
さらにロシア政府に朝鮮国境の封鎖を要請。
ロシア政府は日本に貸しが出来ると考え、直ぐ様国境を封鎖。
密入国者を場合によっては、見つけ次第射殺していた。
朝鮮を物理的に鎖国したのだ。
私は正直に言って、朝鮮は嫌いだ。
前世での日本に対して傲慢過ぎる、あの態度が嫌いだった。
確かに日本は太平洋戦争で負けた。
その後独立するは、国家として民族としても当たり前だ。
だか、朝鮮が近代化した資金や労力を出したのは日本だ。
日本は朝鮮を近代化する為に、朝鮮を併合してから30年以上に渡り莫大な資金と労働力を注ぎ込んだ。
日本に併合される前の朝鮮は、家が持てない人々、毎日の食べ物を確保出来ず飢餓で死んでしまう人々、首都である漢城は人々の死体の山が積み重ねられ疫病が多発し、それを見てもただただ人々から搾取することしか考えてない両班を中心とする、朝鮮のごくわずかの支配層。
日本はそれらを全て変えたのだ。
貧しい人々の為に家を建てる資金を出し、食料生産が軌道に乗るまで日本本土から食料を運び込み、どんなに貧しく地位が低くても平等に教育し身分の差は関係なく努力すれば役人にもなれた。
日本は朝鮮にそれだけのことをした。
それを全て悪だと主張する前世の朝鮮に私は怒りさえ覚えた。
だから朝鮮を切り捨てる。
朝鮮に注ぎ込む資金を日本本土の発展の為に使う。
日本にはまだ貧しい臣民が沢山存在している。
それら全てを豊かにする。
それすら考えられず朝鮮から賄賂を受け取り、併合を叫ぶ者達が多すぎる。
私がバカ共をどう処理するか考えていると、誰かが扉を叩いた。
「入れ」
「失礼します。殿下」
入って来たのは従兵に変装した風魔衆の一人だった。
険しい表情をしていた。
「殿下、騒いでいる者達がいます。」
「...やはりか。」
新聞なので世間に出回り始めた結果だろう、そう思いながら聞いた。
「どこのバカが騒いでいる、福岡の連中か」
「いえ....」
「どうした、まさか帝都にいるのか。」
私の質問に、顔を更に険しくすると、
「大変申し上げ難いのですが....本艦からです」
「ハァ!?」
有り得ない、帝国軍人は天皇陛下に絶対の忠誠を持たなければならない。
それに天皇陛下の意志決定は不可侵であり、それに反対し確固たる意見を述べるならまだしも、無秩序に騒ぎたてるのは言語道断である。
「...敢えて聞くが、騒いでいるのは例の奴等か?」
「はい。宇山海軍中佐を中心とする連中です」
宇山中佐は薩摩主計長(艦の備品や補給物資、戦闘記録を担当する部署である。他の部署に比べたら目立たないが、重要な役割を持っている。)を務めている。
日頃から朝鮮に異常な執着心を持っていることが知られている人物である。
更に主計長の立場を利用して薩摩の補給物資を横流ししている疑いがあるが、なかなか尻尾を出さなかった。
「何処で騒いでいる」
「艦内後部区画の修練場です」
「分かった」
私は立ち上がり、打鉄を身につけた。
「殿下なにを...」
「少し不届き者達に鉄槌を与えに行ってくる」
そう答えると慌てて止めに入ったが、時すでに遅く修練場に向け歩んでいた。
「何故海軍軍令部は反対しなかったのか!!」
修練場に着くと叫び声と共に、酒の匂いが漂って来た。
そこには、10人前後の海軍軍人達が集まって居た。
私は酒の匂いが、上等な物であることが直ぐ分かった。
艦の酒保にこれほど良い匂いの酒はない。
噂は本当だったか、と思いながら明らかに酔っている宇山中佐を見つけた。
「政府は何をしているだ!?」
「海軍上層部はいつから腰抜けになった!」
「陸軍もだ!情けない!」
随分と好き勝手言っているな。
そう思って近づこうとした瞬間。
私は聴いてしまって。
宇山中佐が言った言葉を。
「こんな決定をした明治天皇は、気が狂ったに違いない!引きずりおろそう!」
.......
今、コイツらは何を言った?
明治天皇を、大帝陛下を引きずりおろすだと?
「コロス」
私の中で何が弾けた。
「コロス」
突如、その言葉と共に、彼らの後ろから凄まじい殺気出てきた。
彼らが慌てて後ろを振り返えるその先に、打鉄を抜き放っている成彦が居た。
「成彦殿下なぜこ「貴様ら」こに...」
彼らは見てしまった。
「明治天皇陛下に対してその言葉」
成彦の後ろに蠢く、
「万死に値する」
八つ頭を持つ大蛇が、
「死ね」
牙を剥いているのを。
彼らはそこで初めて、殺されると思い、慌てて軍刀を手に取ろうした。
しかし遅かった。
彼らが軍刀を抜く前に、成彦は彼らの目の前に居た。
「珠洲流奥義、切り水」
成彦が打鉄を納めると同時に、血の花が咲いた。
血を流しながら、倒れている屑共を一瞥して後ろに振り返ると、ついてきた風魔の忍が顔を青くしていた。
「殿下...」
「後始末、任せる」
私がそう言うと影から風魔衆達が出てきて、処理を始めた。
私はそのまま歩きだし、艦長室に向かった。
陸海上層部は薩摩艦長からの連絡を受け、今回の刃傷事件を闇に葬りさった。
宇山中佐達が酒に酔って出た言葉だったかも知れないが、当事者達は死亡し、聴取しようにも相手が皇族では出来なかった。
更に明石陸軍少将が指揮する、陸海軍統合情報局から宇山中佐が実家の貿易会社に大量の補給物資を横流ししている証拠を出した為、それらの捜査に集中するはめになった。
この事件は一部の上層部しか知らない事になった。
上層部はせめてもの罰として、成彦の海軍および陸軍の階級を大尉から少佐に昇進させ、薩摩の砲術分隊長から、ロシャーナ連隊に左遷した。
以降、上層部は成彦をこう呼んだ。
『狂人』
日ノ本のありとあらゆる国益の為なら手段を選ばない、その姿勢に畏怖した結果だった。
1910年7月20日
帝都皇居謁見の間
久しぶりに姿を見れることが出来た明治天皇は、初めてお会いした時より痩せられていた。
「お身体は大丈夫であられますか」
「うむ、今日は特に問題はない」
気丈に振る舞っているものの、覇気をすでになかった。
「薩摩の一件、皇居にも聞き及んでいる」
「申し訳ありません。怒りを抑えきれませんでした」
「...朕の為とは言え、お前には敵も多い。無理はせぬように」
「御意」
明治天皇は自分の命が尽きようとしているにも関わらず、私の心配をして頂いている。
「...成彦よ。朕はお前に日ノ本の未来を聞かされてから、朕は自分で出来る限りの事をしてきた。朕は悔しいのだ。朕はまだするべき事がある。それなのに朕の命は尽きようとしている。朕は本来であれば後二年は生きられる。だが身体は言うこと聞こうとしない。...成彦、お前に渡す物がある」
明治天皇は仕えの者から、木箱を受け取り中を開けた。
「これは...」
中に入っていたのは、高貴の色である紫色の軍服であった。
「取りだし広げてみよ」
明治天皇の言葉に従い、広げると背中の所に赤色で大きく義が書かれていた。
「成彦、お前の前世の話にあった正義の在り方を聴いて思ったのだ。正義は人により悪にも善にもなる。ならば正義以外で、義の文字を持つ言葉は多くある。例えば、極道達が命より大切にする仁義、真と書きこれに義を組み合わせた真義など、さまざまな義があるなかでお前に贈る言葉が浮かんでな、それで単純明快に義の一文字を贈る。...成彦よ、お前は修羅の道を歩むだろう。だか忘れるな、人として義を押し通すのだ。さすればお前の意志に決意についてくる者達がいる。貴様は決して孤独ではない。さあ、成彦や朕にそれを着た姿を見せてくれ」
「御意!」
涙が止まらない、それでも陛下は求めている。
私は軍服を羽織った。
明治天皇は一瞬穏やか目をされて、すぐに凛々しい目付きに変わった。
「珠洲宮家二代目当主、珠洲ノ宮成彦に問う。汝が纏う義のマント、何が為に纏う物なりか」
すぐさま膝を付き、頭を下げ、右手を握りしめ地面に付けた。
「汝が纏うものは、汝の魂の在り方を示す物なり、汝は義の真の在り方を貫かん」
私がそう答えると、
「是非もなし」
穏やかにそう言われた。
1910年7月29日
明治天皇、崩御。
この報はすぐさま日本を駆け巡り、悲しみ包まれた。
しかし、当時の皇室関係者はこう言った。
穏やかな顔で逝かれた。と
時代は明治から大正に移る。
明治天皇は二年早く崩御した理由は史実より激務をされたのが原因です。
あと.....ワンピースのネタはこれからも出てきます。
もし、駄目であればキチンと直しますので意見下さい。
待っています。
ぶっちゃけ、覇気すでに出てきているしね。
熊の頭を切った話の中に。
ありがとうございました。
ワンピースの話は不評につき改稿しました。
今、現在さまざまな疑問を持っている、方々の為に外伝の投稿を考えています。
試験勉強の為に投稿、感想の返信遅くなりすみませんでした。




