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限界キタ
「え?え?」
え?じゃねーよ。
笑いが止まらないのはあんたがファンキー過ぎる夢見てるからだよ。
バカじゃないの。
冗談は顔だけにして。
あんたみたいな女、若いだけだつぅの。
狐顔の癖に。
「ぷっ、ふっ、ふふふ…あー…馬鹿馬鹿しい」
「あ…あゆちゃん?」
「本当、笑ったわ」
「…おかしくなったの?」
失礼だなー。
おかしいのはあんたでしょ。
お父さんは遊びに決まっている。
ただ、若い体に溺れただけだ。
そんなことも分からないの?
かわいそうな人。
心の中で、暴言を吐く。
きっと言葉にしても伝わらないから。
「話にならないから切りますね」
「え、ちょっと…あゆちゃ」
ピッ。
通話、強制終了。
我慢できなかった。
すべてを侮辱された気分だ。
お母さんのほうが美人だし、料理だってうまい。
あの女の爪、いつでもキラキラピンクだから。
きっと料理なんか、私よりできやしない。
何なの?
それなのに、どうしてあんなに自信満々でいられるの?
お父さんに誰よりも愛されてるって、自信に満ち溢れた発言。
とにかくうちに帰ろう。
お父さんを説得しよう。
私は走った。
走って帰った。




