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行動開始
それでも葛藤した。
私なりに慎重に行動。
三日ほど様子を見た。
携帯電話の電源は切ったまま。
お父さんは日に日に苛立ってきている。
当たり前だよね。
大事な携帯電話を失くしてしまったのだから。
そろそろ限界だ。
携帯電話をわざとお父さんが分かりにくいところに置き、見つけるよう仕向けるなら今。
だけど、この三日、私は結局一度も携帯電話を開いてもいない。
だったら何のために自分の手の内に置いたのだろう。
こんなんじゃ、意味がない。
その日の帰り道、家の近くの公園に寄った。
そこで、携帯電話と向き合い、悶々と一人、悩んだ。
開いて閉じての繰り返し。
結構長い時間そんなことをしていたと思う。
だんだん辺りが暗くなってきた。
もうすぐお父さんもお母さんも仕事から帰ってくる。
時間に追い詰められて、とうとう私は携帯電話の電源をオンにした。




