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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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セオリー無視の作戦

じぇにぃとコンビで戦うようになってから、俺達紫苑軍の快進撃は続いた。

一日一要塞攻略の目標は、ほぼ確実に達成してゆく。

しかしまあ、如何せん戦力が少ないわけで、勢力を拡大しても空き巣を狙われればいっかんの終わりでして。

結局は重要拠点を守るのが精一杯だ。

コロニーシオンとカテーナ、そしてコロコロコロニー。

この三カ所を結ぶラインだけが、はっきりと我が領域と言える場所。

 紫苑「…」

 スピードスター「♪」

 紫陽花「はぁ~」

 アライヴ「やっぱりプレイヤの味方がほしいな。」

 じぇにぃ「ぅちらさぃきょぅなのにぃ~まもれるひとがぃなぃもんねぇ…」

この悩みは俺達だけではない。

ダイユウサク軍だって、身内だけでやっているから、そこそこまで勢力を広げたけれど、そこで行き詰まっているし、ジーク軍も今はおとなしい。

サイファさんところは、何故か友好関係が多いから、少しずつ巧く広げているけれど、それでもそろそろ手詰まり感がある。

いくら国力があっても、今回はプレイヤの数が圧倒的に必要なシステムなんだ。

人が増えない事には、勝負がつかない。

誰かを誘う?

って、これがこの会社の作戦だったのかもしれない。

人がいないと攻略できないゲーム。

参加していない人を誘うと、ユーザが増えるって寸法だ。

そんな事がわかったところで、どうにもならんのだけれど。

 紫苑「ネットで集めるか。」

 スピードスター「うむ~♪」

この考えは、実は前々からあったが、結局やめた方法だ。

理由は、いくら裏切りが少なくなったとは言え、やはりジークのように現金で寝返りを求められれば、おそらく寝返る可能性もあるし、なによりまじめにやるかどうかが疑問だ。

やりたい奴はおそらくすでにやっているだろう。

13192有る拠点と3つの要塞戦艦。

その全てにプレイヤを配置するだけで、プレイヤ13195人が必要だ。

それもアクティブな人が。

でないと何処かしら守りができない場所がでてくる。

現在このゲームの戦闘時間の、戦闘に参加しているユーザー数を見ると、ほとんど拠点の数とイコールだ。

それは、攻めるもひとり、守るもひとりで成り立つ計算で、そもそもこの人数でゲームのクリアが可能なのだろうか?

それでも統一となると、単純に一陣営にこれだけの人数が必要になる。

これは戦って戦って、勝って勝って、他よりも圧倒的に高いレベルと、戦力を得るしかないな。

 アライヴ「先は長いな。」

 紫苑「まあ、20億だからな。」

 紫陽花「この会社の年間の純利益を考えると、5年以上は続けて貰いたいところね。」

 スピードスター「なるほど♪」

 じぇにぃ「はなしがぁむずかしぃからわかんなぃよぉ。」

 アライヴ「とにかく俺とじぇにぃで勝ちまくるしかないって事よ。」

 じぇにぃ「なるほどぉ。」

 紫苑「なるほどそれだ。」

俺とじぇにぃの会話を聞いて?いた紫苑さんが、何か思いついたようだ。

 紫苑「サイファと相談してくる。」

紫苑さんはそう言うと、しばらく通信を切った。

通信を切る必要が有るのかどうかは知らないが、何かしらの交渉に集中したいのだろうか。

それよりも・・・

 アライヴ「紫苑さんどうするつもりだろう。」

 スピードスター「任せておけば大丈夫♪」

 紫陽花「私が伝えるね。」

そっか、紫陽花さんは紫苑さんの奥さんで、紫苑さんとならんでゲームしてるって言ってたもんな。

 アライヴ「どうですか?」

はっきり言って気になる。

ファーストの時、四天王が裏切らなかったらおそらく優勝していた紫苑さんと、もっとも優勝に近かったサイファさん。

このふたりで相談。

どんな作戦なんだろうか?

 紫陽花「言えない。(笑)」

なんですとぉ?!

しばらくしてから、紫苑さんが通信回線を開いた。

 紫苑「作戦決定。」

 アライヴ「言えない作戦ってなんです?」

 紫苑「(-_-メ)」

 紫陽花「汗」

 スピードスター「♪」

なんだ?

味方にも内緒の作戦なのか?

 紫陽花「話しても良いよね?」

 紫苑「わかった。話すよ。」

 スピードスター「♪」

どうやら話してくれるようだけど、これは結構やばい作戦なのかもな。

 紫苑「まず、サイファ軍との同盟関係を解きます。これは次回期限の更新をしない事でやります。1週間後。」

なんと、サイファさんと話して、同盟を解消するのか。

これは・・・

 紫苑「もちろん、裏では友好関係は維持するので、決して戦闘は行わないように。」

やはり。

 紫苑「そして同盟解消後、俺と紫陽花は、親のIDでサイファ軍に入り、直接勢力拡大に協力します。」

なんと、そんな事すると、この軍の大将と中将が共にいなくなるって事じゃん。

 アライヴ「IPアドレスが同じになるから、自宅からだとできないんじゃ?」

 紫苑「もちろん。その間、紫苑および紫陽花は一切行動できません。」

それで、紫苑軍はどうするんだ?

実質俺とじぇにぃ、そして星さんだけになるって事だ。

これは厳しいんじゃね?

 アライヴ「しかし何故そんな事をする必要が?」

 紫苑「理由は、サイファ軍を、ジーク軍とダイユウサク軍に匹敵する勢力にする為。できれば星、おまえも別IDでサイファ軍にきてくれ。」

ええ!!

それでどうやってやっていくのだろう。

 スピードスター「♪」

 紫苑「了解と受け取った。(^0^)/」

おいおい、了解しているよ。

 アライヴ「何故匹敵する勢力に?」

 紫苑「もしアライヴが死んだとして、何処の軍に入る?」

 アライヴ「そりゃ、紫苑さんのところに戻りますよ?」

 紫苑「でももう滅亡していていたり、優勝の望みが全くなければ?」

 アライヴ「う~ん。やっぱ強いところかな。ダイユウサク軍は無理だし、ジーク軍はあまり好きじゃないから・・・そっか!」

 紫苑「そゆこと。サイファ軍を第三勢力にすれば、死んだ人の多くはサイファ軍に流れる。」

 アライヴ「後はジーク軍と、他に強いと認めた人のところに行くわけだ。」

 紫苑「だから、俺達がいない間に、アライヴとじぇにぃで、がんがん攻めまくって、殺しまくってくれ。それも強さを見せて。」

ははは、殺すって事をすっかり忘れていた。

人型が手に入らないし、経験値が大きく無くなるわけでもないから、殺す事にデメリットはあっても、メリットは無いと思っていた。

どの攻略サイトにも、どの掲示板にも、プレイヤを死亡させる事、完全破壊をする事は愚考として言われている。

 紫苑「この作戦は、君たちの強さにかかっている。」

これは、完全に紫苑さんが、俺とじぇにぃを信頼しているからこそできる作戦だ。

この信頼に応えないで、何がエースパイロットだ。

 アライヴ「俺はやるよ。じぇにぃも良いか?」

 じぇにぃ「ふふははぁ~やるにけってぃ~!!」

こうして俺達の作戦は始まった。

って・・・

 アライヴ「で、何処が言えないような作戦なの?」

 紫陽花「この人ね、もし紫苑軍がそれで駄目そうだったら、そのままそっちに入れてくれって言ってたのよ。」

 紫苑「君たちが強ければ問題ない。」

・・・

まあ、俺達が強さを見せれば、やられた奴らの一部は紫苑軍に志願してくるだろうし、問題ないから良いって言えば良いんだけど・・・なんかしっくりこないな。

これが紫苑さんの強さでもあるから、驚きも反感もないけどね。

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