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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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エピローグ

午前5時28分、俺は、ダイユウサク軍を追い詰めたところで、完全破壊されて死んだ。

でも、それが戦況を大きく変える要因にはならなかった。

俺達紫苑軍は、ダイユウサク軍の大将、ダイユウサクさんを倒し、ダイユウサク軍を消滅させた。

ダイユウサクさんは後継者を設定せず、軍の消滅を選んだ。

すると、ダイユウサク軍のプレイヤが、こぞって紫苑軍へと入ってきた。

最初から決めていたらしい。

ドリームもカズミンも負けて、ダイユウサクさんがやられる事があったら、素直にその相手に協力しようと。

俺を失っても、紫苑軍の作戦行動は止まらなかった。

多くの強力な仲間を得て、一旦ネコミミに帰還する。

そこで補給を済ませた後、、レイズナーさんが用意していた要塞戦艦と共に、ジーク軍領域へと侵攻を開始した。

この時まだ、ジーク軍の主力部隊は、サイファ軍に勝利していなかった。

本来なら、既にサイファ軍を殲滅させる事ができていたらしい。

実は、サイファ軍が消滅したら、その多くのプレイヤが、紫苑軍に入る事を恐れていたようだ。

だからそれに対抗する策として、主要プレイヤを死亡させようとしていたのだ。

しかし、プレイヤキルのマイナス面は大きい。

そこで、戦闘不能にした相手を3時間監視し、タイムリミットによる死亡を狙っていたようだ。

サイファ軍のプレイヤをキルする作戦は、間違ってはいなかっただろう。

サイファ軍とはひそかに、どちらかがもう駄目だという状況になったら、もう一方の軍に入り、協力する事を決めていたから。

だけど、3時間という時間は、ジーク軍の防衛行動を遅らせた。

紫苑軍は運よく、各個撃破に成功した。

要塞戦艦が防衛に1隻、サイファ軍攻略に1隻使われていて、1隻ずつ相手にできた事は、紫苑軍の大きな勝因だ。

この日のうちに、ジークを倒す事に成功した紫苑軍は、1週間で、地球のジーク軍の残党と、弱小軍を次々と呑み込んでいった。

そして今日の朝、俺は1週間の呪縛が終わり、再び紫苑軍に復帰していた。

と言っても、もう攻略する場所は、地球に1か所、海底都市アクアだけだ。

俺はモノトーンで出撃する。

久しぶりの戦闘が、ほぼ確実に最後の出撃だ。

せっかくレベルを上げたモノトーン、最後に使えて良かった。

敵は水中戦の得意なプレイヤばかりだが、こちらのメンバーは半端なく強い。

負ける要素など全くない。

結局、1時間もしない間に、アクアを落とした。

紫苑軍の優勝だ。

9回裏2アウトの楽勝場面で、わざわざ最後の瞬間に立ち会う為だけにリリーフに出された気分だが、俺は嬉しかった。

 一生「よっしゃ!」

部屋で一人ガッツポーズするニート。

だけど明日からは、ニートなんて呼ばれる事は無いかもしれない。

なんせ大量の賞金が、俺の手に入るのだから。

夕方、全ての銀河バリューネットの会員向けにメールが届いた。

宇宙の絆Ⅱの、最優秀プレイヤ投票にご協力ください、そういった内容だ。

俺は誰に投票しようか迷ったが、自分には投票できないって事で、やはり紫苑さんに投票した。

優勝できたのは、やはり紫苑さんのおかげだろう。

次の日、集計された、査定ポイントと一緒に、賞金の分配表が、サイトに掲示された。

1位紫苑189675ポイント。

2位アライヴ189674ポイント。

なんと、1ポイントで紫苑さんに負けて2位だった。

投票ポイントは一人2ポイントだったから、俺の投票した分で負けた事になる。

ちょっと後悔しなくもなかったが、妥当だと思ったので、納得する事にした。

金額は、紫苑さんが6億円。

俺が4億円。

 アライヴ「やっぱり納得いかねぇ!!」

 紫苑「俺はお前に投票したぞw(^0^)あぶねw」

お互い、お互いを投票していたわけだから、仕方ないか。

あの時、ウララさんだったかにやられなければ、俺は1位だった。

全ては自分の力だ。

チョビは、1000万円か。

お母さん、マジでビビるぞw

あなたがやらせたくなかったゲームで、当時小学生だった子供が、1000万円ゲットしたんだから。

じぇにぃは2000万円か。

良い仲間を持ったよ。

サイファさんが3位で2億円か。

紫苑軍との同盟が評価されたのかな。

テレビ出演のポイントも大きいと言われているから、それかもしれない。

ダイユウサク軍の中では、夢さんの4位が最高。

でもざっと見ると、15位くらいまでは、どう順位が入れ替わっていても、おかしくなかったかもしれない。

勝敗は本当に繊細で、ほんの一瞬のタイミングのずれで、どう変わっていたか分からない。

もしかしたら、人生も同じで、ほんの小さなきっかけで何かが変わるのだろう。

ゲームが好きで、偶々参加した宇宙の絆Ⅱ。

これで、死ぬまで働かなくても、生きていけるだけのお金を手に入れてしまう事もあるのだから。


後日、紫苑軍、サイファ軍、ダイユウサク軍の面々は、一同に集まってパーティーをした。

紫苑さんの企画で、もちろん紫苑さんのおごり。

夫婦で6億5千万円貰ったのだから、それくらい当然か。

俺も、ビンゴ大会の商品を提供させてもらった。

その時の出会いがきっかけで、俺はゴッドブレスに入って、ゲームの賞金稼ぎをする事にした。

だって、ゲームって面白いんだもん。

小学生でも、大人と対等に戦える世界。

貧乏人も金持ちも平等にやれる世界。

実は、ゲームの世界が、理想の世界なのではないかと、勝手な事を思いながら、この話の終了とさせていただきます。

また、どこかのゲームでお会いできれば幸いです。

それでは。

本当は、もっと色々と話を考えておりました。

こんな話で、こういう盛り上がりを~なんて思って、ネタ帳に書いていたのですが、その場その場のアイデアで書いていたら、話が勝手に終わっちゃいましたw

でもまあ、それなりに良い感じに終われたかなと思っています。

テーマは、インターネットで、こんな仮想空間、こんなゲームがあれば良いなと思って書き始めました。

似たようなゲーム、似たような環境はあるけど、まだまだ理想のネットサービスはでてきていません。

現金を自由に動かせるってのが、やはりポイントかなぁ~

インターネットの世界でも、それが自由になれば、もっと世界が広がると思うのだけど。

とにかく、最後まで読んでくださってありがとうございます。

次に書く話も決まっていますので、またそちらも読んでいただけると幸いです。

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