表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
58/60

夢へ

コロニーサイド3に到着した時、戦場は荒れに荒れていた。

戦力の少ないまさくん軍が、倍の戦力を持つERROR軍に侵攻したわけだから、まさくん軍は全力で挑んだのであろう。

かたやERROR軍も、要塞戦艦相手では、全力で防衛しないと当然守りきる事はできない。

その結果、この空域に屍が散乱する事になったというわけか。

どうしてまさくん軍が、こうなる公算の高い戦いをしかけたのかは謎である。

もしかしたらジークが、まさくん軍が紫苑軍やダイユウサク軍に味方する事でも恐れて、何か策を弄したのかもしれない。

もしそうなら、バカな事をしたものだって感じだが、俺の考えはただの憶測だ。

とにかく状況は完全に、二虎競食の計。

いや少し意味が違うな。

ふたつの勢力が戦って、疲弊したところを討つ事ができる状況だ。

俺はスピードスターから出撃した。


正に、敵の両軍は疲弊していた。

そこそこの使い手、いや、かなりの使い手もいたようだが、人型が完全ではなさそうで、俺の敵ではなかった。

完全な状況なら、俺も手こずっていただろう。

両軍の頑張りに感謝だ。

要塞戦艦への接近は、スピードスターの甲板に乗せてもらって、一気に近づいた。

かなり傷んでいるとはいえ、要塞戦艦にはそれなりの攻撃力があった。

でも、かなり弱っているこれを奪って、意味があるのかと考えたが、要塞戦艦の最大のメリットは、要塞機能があるって事だ。

修理もできれば補給もできる。

艦船でもできるが、応急処置的なところもあるし、やはり要塞の方が良い。

それに通常の攻撃で落とされる事が無いのがいい。

攻略には、拠点の攻略と同様の手順が必要なのだ。

一応言っておくが、攻撃を受け続ければ、戦闘不能にはなるけれどね。

簡単に、要塞戦艦は、我が紫苑軍の物となった。

当然俺の強さがあってこそだが、間もなく到着したレイズナーさんには、そうは思われていないようだ。

 レイズナー「なんだよ。上手い具合に両軍死んでるな。こんなの誰でも落とせるんだから、任せてくれりゃいいのにw」

いや、光合成さんもいるし、戦力も断然上だから落とせるとは思うけど、そんなに簡単にはいかなかったと思うよ。

少なくともレイズナーさんより強い人は沢山いたから。

言いたい事を胸の奥にしまって、俺はレイズナーさんに後を引き継いだ。

すぐにスピードスターに戻ると、再びダイユウサク軍領域に向かって発進した。


航行中、紫苑さんから入ってきた通信によると、ダイユウサク軍はどうやら、本拠地の有人要塞ドリームダストを決戦の場に選んだようだ。

一応、コロニーと有人要塞には、誰かを残して進んでいるらしい。

もし何処かにひそんでいれば通信がくるはずだが、通信はない。

それに相手はダイユウサク軍、戦いは真っ向っ勝負してくるだろう。

そして、今度は夢さんも必ず出てくる。

カズミンさんも出てくるかもしれない。

次が本当の対決だ。

こちらも大将紫苑さんが陣頭指揮を取っているわけで、勝つか負けるかの勝負になるだろう。

そして勝った方が、ジークに挑む。

あの時、ジークを助けなければゲームが終わっていたかもしれないとは言え、ジークを助けたのは本当に正しかったのか考えさせられる。

助けた事が正しかったと言えるのは、おそらくジークに勝って宇宙統一を果たした軍だけだ。

その軍に、紫苑軍は手の届くところまできている。

長かった。

ゲーム開始から、既に3年目。

紫陽花さんが言っていた。

5年くらいは続けてもらわないと、会社としては辛いとか。

ちゃんと20億払ってくれるのかね。

紫苑さんから通信が入った。

 紫苑「これより、ダイユウサク軍と、再び戦いを開始する。4時41分。(^0^)」

時計は既に、4時42分になっていた。

始まったか。

こちらも高速でとばしているから、到着は5時くらいか。

十分間に合ったと言えるだろう。

俺は人型キュベレイの中で待機する。

補給も整備も終わっている。

完璧だ。

そして間もなく、スピードスターは戦場に到着した。


戦場に入ると、俺はすぐに発進した。

ざっと状況を確認する。

すぐに見つかった、ドリームの名前。

どうやらサラさんが抑えているようだ。

防戦一方だが、俺以外に夢さんを抑えられる人がいた事は、紫苑軍にとって大きな幸運だったと言えるだろう。

チサトさんの相手は、じぇにぃがしているようだ。

バトルグリードでドリームにも勝った事があるらしいじぇにぃ。

じぇにぃは初戦にめっぽう強い。

話しによると、チサトさんは手の内の見えない相手には弱いらしいが、二人は何度か対戦しているはずだ。

じぇにぃに不利な状況と言えるかもしれないが、俺の目には互角に見える。

おっと、ビューティフルベルさん、地球から上がってきたのか。

どおりで、数で圧倒しているのに、攻めあぐねているわけだ。

ダイスケさんとトイキさんのコンビには、同じくゴッドブレスのおとめさんとサウスさん、それにチョビも加勢している。

2対3で互角か。

というか、相手のコンビネーションは見事だ。

3人で勝てないのも納得。

それにしても、カズミンさんがいない。

何処かにひそんでいるのだろうか。

まあ良い。

俺の相手は、夢さんだ。

そう決めて、俺はドリームへと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ