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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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移動要塞

ダイユウサク軍との戦いは、最初から紫苑軍有利で進んでいた。

一部の紫苑軍メンバーから、楽勝だの、次はジークだの、楽観的な言葉が聞こえてきていたが、俺はそう簡単にはいかないと確信していた。

案の定、ダイユウサク軍の反撃が始まった。

移動要塞を、戦場のど真ん中へと移動して、尚且つ紫苑軍の艦船群へ突撃させてきた。

常識はずれの作戦だが、効果は大きかった。

バカでかい要塞、回避するのは大変だ。

となると、早いうちに回避行動を取らなければならず、艦船群の戦力が無きにひとしくなる。

更に、回避行動中の艦船を、敵チサトさんのダストが狙い撃つ。

 サラ「どうやらチサトちゃんの作戦みたいね。」

いきなりサラさんからの通信が入った。

 アライヴ「あれ?どうして?」

モニターに、小麗さんの月天が映し出された。

 紫苑「今日は勝負だ。呼び寄せたw(^0^)」

 紫陽花「それにサラさん達は、ダイユウサク軍とやる為に、うちの軍にきたんだしねw」

なるほど、これは心強い。

 おとめ「おーいるいる!ダイスケ勝負だぁ~」

 サウス「じゃあ俺はトイキをやるぜ!」

3人がそれぞれに出撃した。

 小麗「移動要塞面白いv私が止める♪」

小麗さんは、月天の人型全ての出撃を終えると、単機で移動要塞へと向かって行った。

俺は心配もあったが、面白そうなので、小麗さんについて行く事にした。

小麗さんの操舵は華麗だ。

スピードならスピードスターの方が上だし、火力なら紫陽花さんの艦船にはかなわない。

パープルアイズは、今では丸みを帯びた艦船に改良されていて、小回りの利く対応力が売りだ。

それらと比べたら、小麗さんの月天は普通の艦船よりも少し縦長な感じなだけで、特に売りは無さそうだ。

その艦船を、どういったら良いか難しいが、そう「ぶんまわす」ように操る。

前作で、艦隊戦をやっていた時は、旋回する行為は、あまり良いとは言えなかった。

今回ももちろん、後ろから攻撃されているからって、旋回なんてしようものなら、無能者扱いされるだろう。

でも月天さんの動きは、ただ旋回しているわけではない。

かわしながら旋回しているようだった。

小麗さんは、巧く移動要塞の突撃をかわしながら、要塞を攻撃していた。

しかし、このままでは埒が明かないし、要塞の兵器を無力化しても、突撃は止められない。

俺は要塞内に突入し、要塞を奪取する事を思い立った。

これさえ抑えれば、俺達の勝利は確実だ。

ドリームもいない、カズミンもいない、ビューティフルベルさんって指揮官もどうやらいないようだ。

チャンスは逃さない。

俺はただ一人で、要塞の入口へと向かって行った。


要塞内へは、意外と簡単に入る事ができた。

流石にもう守りを固める余裕は無いということか。

俺が要塞を攻略する間に、ドリームやカズミンが助けに来てくれればいいってことなのか。

ダイユウサク軍が、此処にいない人を当てにするような戦い方をするとは思えないが、何かあるなら、進んでいけば分かるだろう。

俺は、要塞内の防衛システムによる攻撃をかわし、破壊しつつ、中を進んでいった。

気がつけば、既に拠点エリアへと到達していた。

此処から先は、迷路である。

後は司令室までたどり着き、特定の操作をするだけだ。

ダイユウサク軍は、本当に打つ手が無かったのだろうか。

拠点エリアにわざわざ人型を置く利点なんて無いし、そう考えるしかない。

俺は一応通信を入れた。

 アライヴ「拠点エリアに突入。未だ敵影無し。要塞奪取はもう少しまってねw」

するとサラさんから、気になる通信が入った。

 サラ「おかしいわねぇ。今日子の姿がないわね。地球側にもいなかったし、どうしたのかしら?」

今日子って言うとアレだ。

うちの暗黒天国さんと同系の人型だけど、それよりも火力重視の、歩く核兵器とも言える人型乗りだ。

あの人がいたら、すぐにわかる。

飛び交うミサイルが一気に倍になるから。

そんな人が戦場にいない?

俺は、地球での戦いをふと思い出した。

あの、グリードさんがやられた拠点サハラ。

今は我が軍のアブサルートさんの人型、拠点の虎。

モニタを見た。

似ている。

あの拠点の内部構造に。

ゲームってのは、多くのデータを扱うので、結構色々なところで使い回しされる。

もし此処の拠点エリアと、地球のサハラの拠点エリアが同一のデータを使い回しているとすれば・・・

俺は咄嗟に進行をストップした。

すると横の通路から、大量のミサイルが壁に当たり、目の前で大きな爆発が起こった。

危機一髪だった。

やはりそういう事か。

司令室の直前で、今日子の人型トゥデイが待ち構えていた。

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