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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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運命の大金星

カズミンとの戦いは、俺の防戦一方になっていた。

とにかくこちらが嫌だと思うところに、正確に攻撃してくる。

このままでは、確かにカズミンさんの言ったとおり、俺に勝ち目なんてないだろう。

でも俺の気分は、強い敵を前に良い感じだ。

考えるな。

俺は頭は悪いが、今まで戦ってきた経験は、きっと体を動かしてくれる。

このゲームの戦場経験なら、俺は誰にも負けない。

普段、バトルグリードとか、他のゲームをしているような人には絶対負けるはずが無い。

俺は無意識に反撃に出ていた。

画面の隅には、しゃこ式とドリームの戦いが見えた。

ドリームの一方的な勝負だが、しゃこ式が墜ちる様子はない。

どれだけ強い人型なんだ。

あんな戦いを見せられて、テレビの向こうの人は楽しめているのだろうか。

本当に茶番だ。

片腹痛い。

すぐそばで、このゲームでの最高レベルの戦いが繰り広げられているのに。

しゃこたんも可哀相だなぁ。

芸能人ってのはこんなものなのかな。

本人は絶対に、これがバカバカしい勝負だと思っているはずだ。

それでもテレビに映るしゃこたんは、笑顔で楽しそうにゲームしている。

プロだなと思った。

戦いは、互角以上の戦いができていると思う。

体は勝手に動き、カズミンを追い詰める。

カズミンの驚いた顔が目に浮かぶ。

と言っても、あった事も無いし、どんな人なのかも知らない。

ただ、二次元変換された、想像上のカズミンが、驚いている顔を想像した。

笑みがこぼれた。

行ける!もう少しだ。

だがここまできて、俺は少し色気を出してしまった。

最後は敵背後に回り込み、ビームソードで斬りつけて勝ちたいと。

いや、そうすれば勝てると、頭で考えてしまった。

待ってましたと言わんばかりに、背後へ回ろうとするテンダネスの後ろに、カズミンが回り込んだ。

 一生「しまった!」

部屋で声をあげてしまったがもう遅い。

此処まで追いつめておきながら、俺は負けるのか。

でも此処までやれたのだから、満足するべきか。

俺は再び無意識の領域に、無意識に入っていた。

テンダネスを素早く裏に切り替えていた。

最近あまり使っていなかった、裏テンダネス。

人型戦で強い敵と戦っていなかったから。

そして今日の戦いでも此処まで使う事はなかった。

流石に意表をつかれたか、カズミンの動きが止まっているように見えた。

俺は正面から、カズミンを斬り裂いていた。

その後も、カズミンを何度か斬りつけ、とうとう戦闘不能状態にしていた。

勝った。

カズミンに勝った。

 一生「よっしゃー!!」

俺は部屋で一人吠えていた。

その後、チサトさんやダイスケさんがやってきて、戦闘不能となったカズミンを回収していった。

こちらが回収して、人型の性能を調べたかったが、戦況はどうやらサイファ軍に不利なようだった。

俺達の戦いに誰も入ってこなかったのは、タイマンの邪魔をしてはいけないっていう、両軍メンバーの配慮だろう。

ここからはまた、通常の戦いに戻るのだなと思ったが、既に時間は22時になろうとしていた。

結局、しゃこ式vsドリームは、引き分けで終わりそうだ。

テレビでは、司会の人が必死に状況をまとめていた。

サイファ軍が勝つと聞かされていたようで、ドリームを褒めるコメントばかりだった。

しゃこたん可哀相に。

そんな事を思いながら、俺はサイファさんの補給できないじゃまいか!に帰還した。


この戦いの直後、ジーク軍がサイファ軍へ大攻勢をかけようとしている事は、この時だれも思いもしなかった。

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