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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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頂点の戦い

テレビの放送とは関係の無いところで、俺とカズミンの戦いが始まった。

部屋にあるテレビでは、しゃこ式とドリームの戦いが放送されていたが、もうそちらを見る事はできない。

相手は夢さん以上とも言われる実力者、カズミンさんだ。

以前今日子さんが戦って、その強さは理解している。

ドリームの強さを一言でいえば、スピード。

かたやカズミンさんは、巧いと言われている。

こういう戦いで、ハッキリどちらが強いと判断するには、それなりの力の差が必要だ。

それは、相性ってものがあるから。

だからどちらが強いとか、そういう話は、戦ってみるまでわからない。

それも俺から見た強さって事になるわけだが。

まずは様子を見て、長距離から狙い撃ってみる。

普通にそれをかわして、普通に反撃してきた。

相手がドリームだったら、力を誇示する為にまっすぐ突っ込んでくるが、カズミンさんは突進してくる事はないようだ。

今のところ強さの欠片も感じない。

でも、強いと言われている人。

油断はできない。

今度は、最初にビーム砲でけん制してから、2発目のビーム砲を当てにいく作戦だ。

思ったとおり減速し、1発目のピーム砲をかわして来た。

俺は2発目を狙い撃つ。

とその時、こっちが2発目を撃つ前に、向こうから攻撃が飛んできた。

 一生「うお!」

ビーム砲をかわすタイミングで狙い撃ってきた?

なるほど巧い。

だが、カウンターなんてものは、戦いでは常套手段。

それくらいやる人は山ほどいる。

よし、今度はそのカウンターにカウンターを返してやる。

そう思ってビーム砲を発射しようと思ったら、今度はこちらが撃つタイミングで撃ってきた。

 一生「やべ!嫌な攻撃してくるな。」

それに正確だ。

並のプレイヤなら、コレでジエンドだったかもしれない。

出し惜しみしても仕方ない、俺はフェンネルを展開した。

これあっての俺なのだ。

フェンネルの攻撃と呼応して、俺は攻撃を強めた。

しかし直後、4機のフェンネルが一瞬にして墜とされていた。

動きに規則性があるとはいえ、小さなフェンネルを落とすのは、簡単ではない。

それでも時間をかければ墜とされる事もある。

でもこんなに早く、1発のミスもなく、完全にフェンネルを墜とすとは、なんだこの人は。

チョビのように高性能の盾を持っているわけでもないのに。

みんなが巧いと言うのが、本当の意味で理解できた。

それでも、巧いだけでは俺は倒せない。

夢さんには圧力を感じたが、この人からは圧力を感じない。

俺は今度は、カズミンへの接近を試みた。

と同時に、正面からビームが飛んでくる。

俺は左にかわそうとしたが、一瞬見えたカズミンの動きに、咄嗟に上へとかわしていた。

本来移動していたであろう場所を、ビーム砲が通り過ぎた。

なんだこの人、俺の動きが分かるのか?

確かに、ビームをかわす時には、左右どちらかにかわす事がセオリーだ。

何故なら、人型は縦に長く、上下だとそれだけ大きく移動しなければならないからだ。

だから左右どちらかだと山を張って攻撃する事はある。

でも、カズミンさんの攻撃には、何故かそうは思えない何かがある。

よし、もう一度。

俺は再び突進を試みる。

同じように正面からビームが飛んできた。

今度は最初から、上にかわそうとした。

するとやはりというか、上に攻撃が飛んでくる。

おそらく来るだろうと思っていたから、なんとかギリギリのところで当たらなかったが、これはやはり読まれている。

強い敵を前に、俺はテンションが上がってきた。

この人に勝つなんて、面白すぎる。

俺はどういうわけか、負ける気がしなかった。

次はシールドフェンネルを出した。

出したのは1枚だけ。

これなら撃ち落とされる心配はない。

なんせ盾だから。

もちろん、威力の強い攻撃や、何度も攻撃を受けていれば破壊されるが、見たところ、カズミンに強力な武器は見受けられない。

俺は再び突進を試みた。

正面にビームが飛んでくる。

俺は右にかわそうとする。

すぐに右側への攻撃をするカズミン。

しかしこれはフェイント、シールドフェンネルを盾に、俺は真っすぐ突っ込んだ。

今まで落ち着いた動きをしていたカズミンが、初めて大きく移動する。

ようやく人型の戦いが始まった感じだ。

俺は尚も追いすがる。

正確な攻撃は、最小限の回避とシールドフェンネルで凌ぐ。

もうすぐ近接戦闘に持ちこめる。

そう思った時、俺が武器をビームソードに変更する直前のタイミングで、カズミンが進行方向を急に変えてこちらに向かってきた。

絶妙なタイミングだ。

これだと、ビームソードに切り替えたとしても、一拍攻撃が遅れる。

だがこれは計算済み。

カズミンさんならこれくらいはしてくると予想していた。

おれはフェンネルダガーを出した。

数は2機。

実はフェンネルダガーは、2機までなら、自分で操作する事ができる。

その場合両手の操作機能を失うが、代わりに両手のようにフェンネルダガーを動かせるというわけだ。

手ほど自由には動かないが、どこまでも伸びる手を操るような感覚になる。

だか攻撃する刃の部分が短く、決して使える武器とは言えない。

それでも、意表を突く事はできたはずだ。

さあ、この攻撃をかわす事ができるのか?

と思った瞬間、フェンネルダガーは2機とも斬り落とされていた。

お互い爆発を避けるように後方へと下がった。

 カズミン「今のはなかなか危なかったよ。でも、そういった奇策は、うちのチサトさんが得意なんだよね。日頃から戦いなれているんだよ。」

 アライヴ「なるほど。真っ向勝負でしか、カズミンさんには通用しないのかなwではそうしようか。」

俺の通信は強がりだった。

 カズミン「そうだね。一通りアライヴさんの戦い方は見たし、もう僕は倒せないと思うけどね。」

 アライヴ「倒せるのは夢さんだけ?」

 カズミン「今なら8割は僕の勝利だよ。もう手の内が分かっているからね。それでも時々負けるのは、やはりあの人が強いからなんだけど。」

 アライヴ「では、俺なら五分の戦いができるな。」

強がりだったが、楽しくて負ける気がしなかった。

 カズミン「イイネ!では、楽しませてもらおうか。」

俺達は再び、戦闘を開始した。

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