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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
50/60

仕組まれた企画

サイファ軍のキャンサーが、女優でアイドルの中山西子である事は、ファンの間では周知の事実であった。

深夜の番組や雑誌では、時々とりあげられ、一般ユーザーでも知っている人は知っている。

これだけ人が集まっていて、隠し通せるものでもなし、本人も特に隠す気はない。

それでも今までは、騒ぎが起きる事は無かったし、知っていても他と変わらない対応をとる事が普通だった。

でも、そんな日々も、今日で終わるのかもしれない。


美菜斗さんを倒したあの日、倒したのは俺だったが、テレビではしゃこたんの活躍が取り上げられていた。

確かに、しゃこたんがいなければ、美菜斗さんがやられる事は絶対に無かっただろう。

だから認めてはいるが、少し悔しかった。

で、話しはそれだけでは終わらなかった。

下杉影虎軍が消滅した後、テレビのゲーム情報番組の企画として、銀河バリューネットも協力して、しゃこたんvs夢さんが実現していた。

放送は、土曜日の夜21時から22時まで。

その為、戦闘開始時間は22時からとされ、それまではサイファ軍vsダイユウサク軍のみに規制された。

お互いの大将にも許可を得て行われるこの戦争は、ガチンコ対決ではあるが、力の差を埋める為に、キャンサーには特殊な人型が与えられていた。

しゃこたんは、艦船での戦闘は強いが、人型での対戦は得意ではない。

かといって艦船で戦っても、地味すぎて一般の人は面白くもなんともないだろう。

そんなわけで、しゃこたんに強力な人型「しゃこ式」を与えて、夢さんと互角に戦えるようにし、対戦してもらおうってわけだ。

対決の場は、地球に近い只の要塞。

守るのはダイユウサク軍で、攻めるのがサイファ軍。

戦略上全く意味の無い戦いだけど、一般人が見てもそんな事はわからない。

そんな戦いが、もう間もなく開始されようとしていた。

 アライヴ「以上説明したとおりなのだが、何故俺がこの戦いに参加する事になってるんだ?」

 今日子「ん?誰に説明してるの?」

というわけなのだ。

そのサイファ軍vsダイユウサク軍に、何故か俺も参加する。

何故そうなったのか簡単に説明すると、美菜斗軍を倒した時に俺がいて、尚且つ倒したのが俺だった事。

そして戦力バランスを整える為に、助っ人を余儀なくされた。

単純な戦力では、サイファ軍の方が圧倒的に大きいわけだが、なんせあれだけのメンバーが集まったダイユウサク軍だ。

まともにぶつかったら完全に負けるだろう。

後はしゃこ式がどれくらい強いか、そこにかけるしかない。

でもテレビ局の人達は、サイファ軍の楽勝だと思っているみたいだ。

そうなる事を期待するよ。

 アライヴ「まっ、でもしゃこたんと一緒に戦えるんだから、楽しみましょうか!」

 サイファ「でもさ、ドリームとの一騎打ちには手出し無用って言われてるからね。結局俺達は何の為にいるんだろうか。」

 真でれら「テレビ局につれて行かれなかっただけマシだな。」

そうなのだ。

最初は、主力はみんなテレビ局でやってくれとか言われたもんな。

なんとか断って、テレビ局でやるのは、しゃこたんと夢さんだけになったけれど、ホント危なかったよ。

 アライヴ「でも、ゲームが注目されるのは嬉しいねw」

 真でれら「だな!」

 サイファ「そろそろ時間だ。通信も放送されるらしいから、下手な事言わないようにw」

下手な事を言わないようにと言われても、何が下手な事なのか。

とにかく、なるべく喋らないようにしよう。

そして間もなく21時なった。


サイファ軍vsダイユウサク軍の、茶番とも言える戦闘が始まった。

最初から楽しめるように、要塞のすぐそばからゲームはスタート。

索敵も作戦も何もない。

俺と今日子さんとLOVEキラさんは、すぐに出撃した。

グリードさんや薔薇の貴公子さんの姿も見える。

今日は全員集合のようだ。

ま、全員集合させないと、ダイユウサク軍には対抗できない。

かたやダイユウサク軍は、参加したい人だけが参加しているようだ。

ダイユウサクさんはもちろん、スターさんもビューティフルベルさんもいない。

 キャンサー「しゃこたん行きまーっす!(笑)」

テレビの視聴者サービスか、いつもは言わないような事を通信で言っていた。

しゃこたんも出撃し、向こうからはドリームとカズミンも近づいてくる。

いよいよ戦闘だ。

とは言っても、さりげなくしゃこ式vsドリームを演出しなければならない。

俺はなんとなくカズミンに攻撃する。

すると向こうもぎこちなく、俺に攻撃してきた。

お互い本気で戦ってはいけない気分なのだろう。

そんな中俺達は、ジワリジワリと、しゃこ式とドリームから離れた。

さて仕方なくそうなったとはいえ、俺はカズミンと1対1の状況になった。

こんな面白そうな状況はそうそうない。

俺は素直に、全力で戦いたくなってきた。

全力で戦っては駄目だなんて言われていない。

言われていないが、気合がはいらなかったのもまた事実。

それが今、絶好の舞台に、気分が高揚していた。

軍の通信は全てテレビで放送されているので、俺は個人通信でカズミンさんと話をした。

 アライヴ「本気でやりませんか?」

相手もノリきれていないのは明らかだったので、俺は真剣勝負を申し込んだ。

 カズミン「いいですねぇ!一度対戦してみたかったんです。」

カズミンさんもどうやら同じ気持ちだったようだ。

 アライヴ「では、本気で行きます!」

 カズミン「オッケー!」

こうして俺達は、しゃこ式とドリームの戦いが繰り広げられる隅で、本当の真剣勝負をする事になった。

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