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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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謎のコロニー

なんでもないコロニー戦を開始してから間もなく、紫苑さんから通信が入った。

どうやらジーク軍とダイユウサク軍は、快進撃を続けているようだ。

そして紫苑軍も、もう間もなく美菜斗軍領域へ入るとの事。

紫苑軍が作戦行動中に、別の軍で助っ人をしているのは、なんだか変な感じだが、今日だけはそれも良いだろう。

なんせアイドルと一緒なのだから。

俺は注意力が散漫としていたが、戦闘の調子は良い。

俺って、考えて戦わない方が良いかもしれないなんて思った。

それにしても、さっきからなんだかおかしい。

倒しても倒しても、一向に敵が減らない気がする。

援軍でもきているのだろうか。

この程度のコロニー、最悪捨てても、美菜斗軍にはなんの問題も無いように思う。

だから援軍なぞあり得ない気もするが、まあ良い。

それだけしゃこたんと一緒に戦っていられるわけだから。

直後、サイファさんと真でれらさんも、コロニーふにょにょにょにやってきた。

 アライヴ「サイファさん、この程度の戦い、任せてくれても良かったのにw」

俺はしゃこたんを独り占めしたかったのか、自分でも理解できないくらい調子にのっていた。

 サイファ「俺も久しぶりに、カニさんと一緒にやりたかったんだよ。」

 真でれら「俺もいれてくれよw前作では俺とカニさん二人で、サイファ軍の双璧と言われてたんだからなw」

二人とも、ゲームの戦略としてではなく、個人的欲求を満たす為にやってきたようだ。

聞き流すところだったが、真でれらさんと双璧って事は、しゃこたんって、守りの方が得意なのかな?

さっきの戦いを見ていれば、完全に攻撃タイプだと思っていたけれど、もし守りの方が得意だというなら、恐ろしい人だな。

そんな事を考えている時、俺は我に返った。

あれ?俺、戦いながらでもチャットしている。

俺は二人に返事を返そうと思ったが、タイピングする隙が見つからない。

もしかして、コレが無意識の領域だろうか。

手元を考えずにやってるとできるのに、いざ考えるとできない。

そう言えば、以前友達と話した事がある。

ブラインドタッチは、無意識ならできるが、考えて打とうとすると遅くなると。

タイピングゲームなんかすると、日本語だと早く打てるが、アルファベット一文字だと、意外に打てなかったりする。

結局、体が覚えているんだよって事で結論付けたが、あながち間違いでもないと思った。

サイファさんと真でれらさんが駆け付け、すぐに決着がつくだろうと思っていたが、意外に手こずっていた。

どうも、倒しても倒しても、敵が減らない気がするのは、気のせいではないらしい。

俺は無意識に通信していた。

 アライヴ「敵が全然減らない気がする。」

するとサイファさんが、何をいまさらって感じで返事を返してきた。

 サイファ「援軍がドンドン集まってきてるじゃん?あれ?気がついてなかった?」

 アライヴ「ええ。戦闘に集中していたみたいです。」

戦闘に集中ってよりは、なんだか楽しい気分を味わって戦っていただけなんだけれどね。

 サイファ「ごめんごめん。どういうわけか、敵の援軍がドンドン来てるんだよ。きっとこのコロニー落とされるとかなりまずいんじゃないかな?」

言われて理解した。

今更美菜斗軍にとって、1つのコロニーなんて、被害を出してまで守るものでもない。

そこを防衛してきた事で、此処が重要である事がわかるじゃないか。

普通に考えると、サイファ軍を攻める最前線基地である事から、資源が多く置いてある事が考えられる。

今回の美菜斗軍の動きをみれば、次のターゲットはサイファ軍であったと予想できるからだ。

ジーク軍とダイユウサク軍の争いを見て、紫苑軍にけん制攻撃を入れて、サイファ軍に攻めていったのが何よりの証拠。

 アライヴ「資源が美味そうですねw」

 サイファ「落としてくれるか?w」

 アライヴ「任せてください!」

 今日子「頼もしいねwでも落とすのは私よ!」

実際は、ドンドン敵が増える中、勝てる可能性は徐々に減っているはずだった。

でも、何故か今の俺達に、勝てないなんて考えは、頭の中に無かった。

それもこれも、アイドルの「頑張ってね!」の一言が力となっている事は、疑いようがない。

アイドルって恐ろしいと思った。

その恐ろしいパワーに引っ張られ、徐々に形勢を逆転していた。

援軍が大量にやってきた事で、明らかに戦況は不利だったのに。

「頑張ってね!」パワーは凄いな。

そしてそれだけではない。

しゃこたん自身の快進撃も、俺達を勢いづけた。

 アライヴ「カニさん凄いねw実は攻撃の方が得意だった?」

 キャンサー「前の時は、守り重視でやってたもんねw」

 真でれら「なるほど。艦船のチューニング次第で、どちらも強かったのねw凄すぎるw」

「しゃこんたん、末恐ろしい子」なんて言うと意味が違うが、感覚としてはそう言いたい気分だった。

23時を回った頃、この領域の空域は、全て支配していた。

宇宙空間に、これだけの人型が戦闘不能で漂っているのも初めてみる。

後1時間しかないが、コロニーなら軽く落とせるだろう。

 アライヴ「では、コロニー攻略行きますねwあ、最後はもちろん任せます!」

普段なら「今日子さん後は任せました!」なんて言うところだ。

サイファ軍の突撃隊長LOVEキラさんもいるから援護も必要無いし、俺がコロニーを落としてしまうと、紫苑軍の所有コロニーになってしまうから。

でも今日は、なんだかまだまだゲームをしたい気分だし、もしかしたら、拠点エリアにも敵がいるかもしれない。

そしたらまだ戦える。

 サイファ「じゃあよろしく!」

 キャンサー「頑張れよ、おいw」

 今日子「一人でも大丈夫なのにw」

 LOVEキラ「じゃあ俺は此処でカニさんとチャットしてようw」

 真でれら「w」

 アライヴ「ガーン!w」

こうして俺と今日子さんは、コロニーの拠点エリアへと入って行った。

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